2025-05-20 コメント投稿する ▼
年金削減に“NO”の声 田村議員がマクロ経済スライド停止と最低保障年金導入を訴え
「百年安心」の崩壊 年金制度に厳しい視線
衆院本会議で20日、日本共産党の田村貴昭議員が政府提出の年金改革法案に対して厳しく質した。田村氏は、長年続くマクロ経済スライド制度が年金受給者の生活を圧迫し続けていると述べ、制度の抜本的な見直しを求めた。
かつて「百年安心」とされたこの制度だが、田村氏によれば、導入から約20年で年金の実質的な給付水準は8.6%も目減りしたという。今後もスライド制度が続くことで、給付水準はさらに15%減となる見通しだ。これは「安心」どころか、将来に対する不安を膨らませていると指摘した。
低所得者に集中する“削減のツケ”
田村議員がとりわけ強調したのは、年金の削減が特に低年金者に集中している点だ。厚生年金の削減幅は1.6%に過ぎない一方で、基礎年金の減額は最大で25%にも及ぶ。つまり、厚生年金を受け取れるだけの高所得者は影響が少なく、非正規や短時間労働で厚生年金の対象外だった人ほど、年金が大幅に減らされるという構造になっている。
就職氷河期世代のように、非正規で働かざるを得なかった人々が老後に直面するのは、低年金と生活困窮のリスクだ。田村氏は「低賃金で働いてきた人が、年を取ってからも低年金で苦しむような制度は改めるべきだ」と訴えた。
改革案の限界と代替策
政府案では、厚生年金の対象拡大や保険料上限の引き上げといった措置が盛り込まれているが、田村氏は「これでは焼け石に水」と指摘。その代わりに、国が積み立ててきた年金基金290兆円を活用し、年金給付の底上げに充てるべきだと提案した。
さらに、年金保険料の上限を年収2000万円まで引き上げることや、最低保障年金制度の導入を強く訴えた。年金制度が「働いた年数と納付額だけ」で決まる現行制度では、セーフティーネットとしての役割を果たし切れないと問題提起している。
就職氷河期世代・若者の不安にどう応えるか
田村議員は、若い世代の将来不安にも目を向ける。彼らは「自分たちの頃には年金なんて出ないのでは」と半ば諦めに似た不信感を抱えている。これを払拭するには、基礎年金の底上げとともに、雇用の安定と最低賃金の引き上げが不可欠だとした。
最低賃金については、全国一律で1500円へと速やかに引き上げ、非正規雇用を根絶していくことが年金制度の信頼回復につながるという。中小企業への支援とセットでの賃上げ政策も、あわせて必要だと訴えた。
ネット上の声
SNS上でも、田村氏の主張に共感する声が多く上がっている。
「マクロ経済スライドって言葉は聞こえは良いけど、実質は年金削減の仕組みでしょ」
「年金積立金って国民のお金なんだから、もっと生活支援に使うべき」
「非正規で長年働いてきたけど、老後どうすればいいのか本当に不安」
「最低保障年金、現実味ある制度だと思う。導入を急いでほしい」
「若者が年金に希望持てない社会、どう考えてもおかしいよね」
制度改革の行方に注目
マクロ経済スライド制度を軸とした年金政策は、少子高齢化社会における財政の持続性を保つ狙いがある一方、低所得者層への過度な負担を生み出している。田村議員の主張は、年金制度を「支える」だけでなく「支えられる側」への配慮を欠いている現状を浮き彫りにした。今後の国会論戦を通じて、どこまで具体的な対策が打ち出されるかが焦点となる。