2025-12-11 コメント投稿する ▼
田村貴昭議員が補正予算案反対討論 消費税減税こそ国民の願い
日本共産党の田村貴昭議員は反対討論に立ち、政府の補正予算案には物価高と円安から国民の暮らしを守り、経済を立て直す太い柱がないと厳しく批判しました。 田村氏は「国民の暮らしの願いには応えず、痛みを押しつける一方で、過去最大8472億円の軍事費を計上しているのは重大だ」と厳しく批判しました。
補正予算案に国民生活を守る太い柱なし
2025年度補正予算案が12月11日の衆院本会議で、自民・維新・国民民主・公明など各党の賛成多数により可決されました。一方で、日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組、参政党などは反対しました。日本共産党の田村貴昭議員は反対討論に立ち、政府の補正予算案には物価高と円安から国民の暮らしを守り、経済を立て直す太い柱がないと厳しく批判しました。
補正予算案の一般会計総額は18兆3034億円に上り、2024年度補正予算案と比べ31%増加し、新型コロナウイルス禍後で最大の規模となりました。政府は物価高対策を盛り込んだ総合経済対策の裏付けとして位置づけていますが、田村氏は根本的な問題解決策が欠如していると指摘しました。
田村氏は「物価高騰に一番効果があり、国民が強く望むのは、消費税の負担引き下げだ」と強調し、消費税5%への減税とインボイス制度の廃止を強く求めました。この主張の背景には、参院選で消費税減税を求める議員が国会の多数となったという民意があります。また、最低賃金の全国一律時給1500円の実現と中小企業への賃上げ促進の直接支援も要求しました。
社会保障削減政策への厳しい批判
田村氏は社会保障費・医療費抑制政策をやめるべきだと強く主張しました。政府の「医療・介護支援パッケージ」について「医療・介護の危機を打開するには極めて不十分だ」と指摘し、税金を使って病床11万床削減を狙うことは到底許されないと強調しました。
この批判は非常に重要な指摘です。コロナ禍で医療現場の逼迫が大きな社会問題となったにも関わらず、政府は病床削減政策を継続しています。医療従事者の処遇改善や医療体制の拡充こそが求められているにも関わらず、逆行する政策となっています。
生活保護費の違法引き下げ問題についても言及しました。田村氏は原告への謝罪と利用者全員への全額補償を強く要求し、相次ぐ災害の被災者の要望に沿う強力な支援も求めました。国民の生存権を保障する最後のセーフティネットである生活保護制度の充実は、社会保障の根幹に関わる問題です。
「消費税減税が一番効果的なのに、なぜやらないんだろう」
「病床削減なんてやったら、またコロナみたいなことが起きたときに困るじゃない」
「最低賃金1500円、早く実現してほしい。今の給料じゃ生活できない」
「軍事費ばかり増やして、暮らしは後回しなんて間違ってる」
「アメリカに言われたからって、防衛費を倍にするなんておかしい」
過去最大の軍事費に強い反発
田村氏は「国民の暮らしの願いには応えず、痛みを押しつける一方で、過去最大8472億円の軍事費を計上しているのは重大だ」と厳しく批判しました。防衛省は補正予算案に過去最高の8472億円を計上し、関連費を含めた総額は約1兆1000億円に達します。今回の補正に当初予算を加えると、2025年度の防衛費と関連費の総額は約11兆円になります。
軍事費の最大の支出は米軍再編経費であることを田村氏は特に問題視しました。これは日本の安全保障というよりも、米国の戦略に奉仕する性格が強いものです。「到底認められない」と批判したのは当然の反応といえるでしょう。
トランプ米大統領の来日前に表明した軍事費の国内総生産(GDP)比2%前倒しへの帳尻合わせだと田村氏は告発しました。政府は当初、「GDP比2%目標」を2027年度までに達成する計画でしたが、高市早苗政権はトランプ氏の要求に応じて2025年度中に前倒しして達成すると表明しました。
将来への深刻な懸念
田村氏は軍事費を米国が要求するGDP比3.5%に引き上げれば21兆円となり、国民の暮らしも日本の財政も破綻すると警告しました。この指摘は非常に重要です。実際に専門家の試算によると、防衛費をGDP比3.5%まで引き上げる場合、約9.2兆円の予算積み増しが必要で、これを消費税の増税で賄うとすれば消費税率を4%弱引き上げる必要があります。
「軍事費の恒久財源となる『防衛特別所得税』の導入など、もってのほかだ」と田村氏は強く批判しました。既に法人税率4%の上乗せが2026年4月から開始される方針が決まっていますが、さらなる増税が検討される可能性があります。
議員定数削減への強い反対
田村氏は民意を切り捨てる衆院議員定数削減法案の撤回を強く求めました。この問題は民主主義の根幹に関わる重要な課題です。議員定数削減は一見すると「身を切る改革」として受け入れられやすい政策ですが、実際には少数意見を排除し、民主的チェック機能を弱体化させる危険性があります。
大阪府議会では定数が3割削減された結果、選挙区の1人区が7割になり、少数意見が届かない維新与党の「独裁」が可能になったという実例があります。新型コロナ禍では知事の思いつきの施策が連発され、大阪でのコロナ感染死者が全国最悪になったという深刻な結果を招きました。
田村議員の反対討論は、表面的な経済対策や政治改革ではなく、国民の暮らしを真に改善する抜本的な政策転換が必要であることを示しています。消費税減税、社会保障の拡充、軍事費削減といった根本的な政策変更こそが求められているのです。