2025-03-25 コメント投稿する ▼
辰巳議員、ラピダス支援法案を批判 国費投入に疑問の声
■ ラピダスに巨額支援、政府の狙いとは?
政府は、ラピダスへの支援として出資や融資の債務保証を行う予定です。この支援は、ラピダスが半導体産業で競争力を高め、国内産業の再建を促進することを目指しています。ラピダスは北海道千歳市で新しい半導体工場を建設中で、2025年には試作ラインを、2027年には量産を始める計画です。このため、必要な資金は総額5兆円に達するとされ、政府はその半分以上、約9200億円を補助金として提供することを決定しています。
■ 共産党・辰巳議員の批判
しかし、この法案には反対の声もあります。日本共産党の辰巳孝太郎議員は、政府のこれまでの半導体支援政策が国内産業の衰退を招き、大企業の内部留保が増えるだけだったと指摘しました。特に、過去にエルピーダメモリが破綻した際に公的資金約280億円が無駄になったことを挙げ、「また同じことを繰り返すのか」と疑問を投げかけました。
さらに、法案では中小企業支援のために使われるべき予算が、大企業であるラピダスに流用されようとしている点についても批判しています。辰巳議員は、「中小企業支援の予算を大企業に使うのは許されない」と強調しました。
■ ラピダスの米国依存と経済安保の懸念
また、ラピダスの東哲郎会長が2021年から経済産業省の戦略検討会議の座長を務めていることを指摘し、「あからさまな利益誘導だ」と非難しました。さらに、東会長が「ラピダスの半導体は国防の領域に関わる」「まずアメリカに届ける」と発言したことに触れ、米国に従属する形で国費が使われることを危惧しています。
辰巳議員は、ラピダスが仮に赤字になった場合、その負担が国民にかかる可能性があると警鐘を鳴らしました。また、「経済安保」の名のもとで特定の国に依存する政策が、日本の産業の競争力を損なう恐れがあると警告しています。
■ 政府の反応と今後の展開
これに対して、経済産業大臣の武藤容治氏は、将来的に販売先に制限をかけることには慎重であるべきだとし、ラピダスの半導体が軍事目的に使われないようにするための「歯止め」を設けることには反対しました。