2025-11-20 コメント投稿する ▼
辰巳孝太郎議員が林芳正総務相労務費問題を独自調査 証言「労務せず報酬受取らず」
週刊文春が入手した選挙運動費用収支報告書によれば、林氏の陣営は労務費として約316万円を支払い、中でも123人に対して「ポスター監視」などの名目で「ポスター維持管理費」が支払われている。 しかし、実際に労務に従事していない人への支払いが確認されれば、公選法の虚偽記載や選挙区内の人への寄付行為に抵触する可能性が指摘されている。
共産党議員が独自調査で疑惑裏付け
辰巳孝太郎氏は1976年生まれの共産党所属衆議院議員で、2024年10月の衆院選で比例近畿ブロックから初当選した。元参議院議員としての経験を活かし、精力的な国会質問で知られている。
1月20日の衆院総務委員会で辰巳氏は、林芳正総務相に対して独自調査の結果を突きつけた。自らの事務所スタッフや共産党の山口県議が、労務費の支払先として記載されている人たちに聞き取り調査を行ったところ、重大な証言が得られたと明かした。
「労務をしておらず、報酬を受け取っていない。領収書の筆跡は自分のものではない」「領収書に書いてある日付に事務所に行っていない」といった証言が複数得られたという。この調査結果は、既に報道されていた疑惑をさらに裏付ける内容となっている。
316万円の労務費支払いに疑惑
週刊文春が入手した選挙運動費用収支報告書によれば、林氏の陣営は労務費として約316万円を支払い、中でも123人に対して「ポスター監視」などの名目で「ポスター維持管理費」が支払われている。
公職選挙法では選挙運動への報酬支払いを原則禁止しているが、はがきの宛名書きやポスター貼りなど機械的な作業を担うスタッフには1万円を上限とする日当が例外的に認められている。林氏の陣営は269人に計約316万円を支出したと県選挙管理委員会に報告していた。
しかし、実際に労務に従事していない人への支払いが確認されれば、公選法の虚偽記載や選挙区内の人への寄付行為に抵触する可能性が指摘されている。
公選法所管大臣への厳しい追及
辰巳氏が公選法の虚偽記載や選挙区内の人への寄付行為に抵触するのではないかと指摘したのに対し、林氏は「事務所で確認を進めている。機械的労務に対して報酬を支払ったもので、選挙運動に対して支払っていない」と繰り返し答弁した。
総務相は公職選挙法を所管する閣僚であり、その当人に公選法違反の疑惑が持たれることは極めて深刻な問題だ。辰巳氏の追及は、この矛盾を鋭く突いたものと言える。
林氏は1月21日の記者会見でも、調査していることを改めて説明したが、疑惑の全容解明には程遠い状況が続いている。
文春報道から始まった疑惑の拡大
この問題は週刊文春の報道から始まり、その後複数のメディアが追随報道を展開している。中国新聞、朝日新聞が社会面トップで報じ、読売新聞も関連記事を掲載するなど、疑惑は拡大の一途を辿っている。
政治とカネの専門家で神戸学院大学の上脇博之教授は、近く「刑事告発します」と明かしており、法的な追及も始まろうとしている。
SNSでは林総務相の対応に厳しい声が相次いでいる。
「公選法所管大臣が公選法違反疑惑って笑えない」
「辰巳議員の調査力はすごい」
「機械的労務と言い張るのは無理がある」
「高市政権に大きな打撃になりそう」
「まずは疑惑の全容解明が必要」
高市政権に新たな火種
この問題は高市政権にとって新たな大きな火種となっている。高市政権発足から間もない時期に、重要閣僚の「政治とカネ」問題が浮上することは、政権運営に大きな影響を与える可能性がある。
特に総務大臣という立場の重要性を考えると、林氏の説明責任は極めて重い。公選法を所管する大臣自身に公選法違反の疑いがかけられるという前代未聞の事態に、政界からも厳しい視線が注がれている。
辰巳氏による独自調査は、野党による政府追及の新たな手法として注目される一方、疑惑の真相究明に向けた重要な一歩となった。今後の捜査機関や選管の対応が焦点となる。
林氏は「問題のない支出」との説明を繰り返しているが、複数の証言者が労務の事実や報酬受領を否定している以上、より詳細で説得力のある説明が求められている。