2025-10-02 コメント投稿する ▼
魚鱗癬に治療の光を 患者会がデュピクセント適応拡大を要望 鰐淵副大臣が検討表明
2025年10月2日、魚鱗癬の患者会「魚鱗癬の会」の梅本千鶴代表らが、鰐淵洋子厚生労働副大臣(公明党)に要望書を手渡しました。 患者会が求めたのは、アトピー性皮膚炎の治療薬として承認されている「デュピクセント(一般名:デュピルマブ)」の魚鱗癬への適応拡大です。
魚鱗癬患者が訴える「治療の希望」
国の指定難病である「魚鱗癬(ぎょりんせん)」の患者と家族が、厚生労働省で治療薬の適応拡大を求める声を上げました。2025年10月2日、魚鱗癬の患者会「魚鱗癬の会」の梅本千鶴代表らが、鰐淵洋子厚生労働副大臣(公明党)に要望書を手渡しました。会合には公明党の秋野公造参院議員も同席しました。
魚鱗癬は、皮膚が魚のうろこのように硬く乾燥し、剥がれ落ちる症状が特徴です。国内患者数は約200人とされ、極めて希少な疾患です。現在、有効な治療薬がほとんどなく、保湿や外用薬などで症状を抑える対症療法が中心となっています。
「デュピクセント」に寄せる期待
患者会が求めたのは、アトピー性皮膚炎の治療薬として承認されている「デュピクセント(一般名:デュピルマブ)」の魚鱗癬への適応拡大です。
梅本代表は、魚鱗癬とアトピー性皮膚炎を併発している患者がデュピクセントを使用したところ、かゆみが軽減され、皮膚状態が改善した事例があると説明しました。特化した治療薬が存在しない中で、「一筋の希望をつなぐ薬」として期待が寄せられています。
「少しでもかゆみが減るだけで生活が変わる」
「子どもが夜眠れるようになった」
「副作用が少なく安心して使える薬を」
「病気が希少でも、患者の苦しみは同じ」
「デュピクセントが魚鱗癬にも光を当ててほしい」
副大臣が示した検討姿勢
鰐淵副大臣は、「貴重なご意見を受け止め、今後の治療薬承認の在り方として検討したい」と述べました。薬の適応拡大には臨床データの蓄積や安全性の確認が必要ですが、患者数が少ない希少疾患では、治験やデータ収集が難しいという課題もあります。
秋野公造参院議員は「公明党としても難病患者の声を国に届け、研究促進と薬剤承認の仕組み改善に取り組む」と語り、早期実現に向けた政治的後押しを約束しました。
希少疾患と医療制度の壁
魚鱗癬のような超希少疾患では、患者数が少ないため製薬企業が治験を行う採算性が低く、承認までに長い年月がかかるのが現状です。その結果、患者は既存の薬の「適応外使用」に頼らざるを得ません。
医療費助成の対象拡大や研究支援の強化が進まなければ、治療の選択肢は広がりません。患者会の梅本代表は「制度の隙間に取り残されている人を救ってほしい」と訴えました。
鰐淵副大臣が示した前向きな姿勢が、実際の制度改革につながるかどうかが問われます。医療の公平性を保つためにも、患者数の多寡にかかわらず、同じ苦痛に寄り添う政策の実現が求められています。