2025-06-12 コメント投稿する ▼
議員任期延長の憲法改正案に前進 非常時の国会維持へ、実務的議論が本格化
「選挙困難時の議員任期延長」骨子案提示 憲法審で改正論議が実質化へ
6月12日、衆議院憲法審査会において、地震や戦争などにより国政選挙の実施が困難になる事態に備え、「国会機能の維持」を目的とした憲法改正の骨子案が、自民、公明、日本維新の会、国民民主など5会派から提示された。提案の柱は、非常時における衆参両院議員の任期延長を可能とする条文の新設である。
公明党の河西宏一議員は、すでにこの論点は審査会内で繰り返し議論されてきたと述べ、「今後は条文案をベースに建設的な賛否の応酬に進むべきだ」として、具体的な憲法改正論議への前進を求めた。
「議論は出尽くした」与党・中道各党が前進姿勢
提示された骨子案では、例えば首都直下地震、感染症の大流行、大規模テロなど、国政選挙の実施が困難となる事態において、特例として国会議員の任期を延長できる制度を設けることが盛り込まれている。現行憲法下では、衆院議員の任期満了による解散・選挙ができなければ、国会の機能が完全に停止するおそれがあり、制度的な“空白”が存在するのは事実だ。
河西氏はこの点を踏まえ、「憲法上の制度的欠陥を克服するには、現実的で前向きな改正議論が必要」と述べ、条文のたたき台を早急に作成し、各党の立場を明確にするフェーズに入るべきだと強調した。
「非常時の対応って、実際に起きてからでは遅い」
「先延ばししてたらまた混乱するのは目に見えてる」
「ようやく現実的な議論に入った感じ」
憲法改正をめぐっては理念論ばかりが先行しがちだったが、今回の発言を受け、ようやく実務的で具体的な議論へと進む兆しが見えてきた。
国民投票法改正にも言及 投票環境の整備が不可欠
河西氏はまた、憲法改正手続きの根幹である「国民投票法」にも触れ、早期の法改正を主張した。現在の国民投票制度は、地方在住者や障害者、海外在住の日本人などにとって不便が多く、実際に投票が困難なケースも多い。
改正案では、期日前投票の拡充や、郵便投票制度の導入、投票所のバリアフリー化などが検討されており、こうした環境整備がなければ、たとえ国会で憲法改正案が発議されても、実際の投票が不公正・不平等になる懸念がある。
「国民投票法の方がむしろ先に直さないと」
「現行制度だと“投票権の格差”が出てしまう」
「海外在住者もきちんと参加できる仕組みを」
国民の信任を前提とする憲法改正において、「投票環境の平等性」は最も基本的な条件であり、今後の法整備の遅れは改正プロセス自体の正統性を損なう恐れがある。
“改正ありき”ではなく、現実と向き合った議論を
一方で、今回の議員任期延長条項の導入に対しては、「緊急事態を口実にした改憲拡大」「与党の権力維持の道具になるのでは」といった懸念も出ている。確かに“改正ありき”の姿勢が先行すれば、国民の信頼は得られない。
だが現実に、大災害や感染症によって選挙が不能となった事例はすでに国内外で起きており、「法的に想定されていない非常時」が突如襲う可能性は無視できない。国民の代表機関としての国会を、こうした時にどう維持するかは、立憲主義の観点からも極めて重要な課題である。
「憲法って、時代に合わせて直すべきものだと思う」
「現行憲法は不備が多すぎ。議論から逃げるのはもう限界」
「抑制的な改正なら、国民も納得するはず」
真に求められるのは、特定の思想ではなく、国家と国民を守るために必要な制度かどうか、という一点に尽きる。理念や政局で憲法を振り回すのではなく、国家機能を冷静に、誠実に議論する姿勢が今こそ問われている。