2025-07-30 コメント投稿する ▼
共産・志位和夫氏が「資本論」入門書出版 若者・労働者に希望託す“ムーブメント”狙う
共産・志位議長が「資本論」入門書を出版 若者と労働者に「変革の希望を届けたい」
日本共産党の志位和夫議長は7月30日、国会内で記者会見を開き、自らが執筆した「資本論」の入門書『Q&A いま「資本論」がおもしろい』(新日本出版社、8月5日発売)を発表した。狙いは明確だ。「日本に“資本論ムーブメント”を起こしたい」。若者や労働者に向けて、マルクス思想を“現代の希望”として再び提起する意図を語った。
背景には、共産党の党勢低迷と支持層の高齢化という構造的課題がある。参院選では目標としていた8議席以上に届かず、結果は3議席。比例代表票も、前回から75万票減の286万票と大きく後退した。
「資本論」が若者に届くのか 志位氏の世代継承戦略
志位氏は記者会見で、「社会の閉塞感を打ち破るために、資本論の思想が有効だと確信している」と述べ、「社会は変えることができるし、自分たちの力で変えられるという希望を広げたい」と熱弁を振るった。
今回の書籍は、令和7年5月10日に民青同盟主催で行われた講演内容を加筆・修正したもの。若者や働く人々が持つ社会への不満、閉塞感、将来への不安にマルクスの思想を通じてアプローチしようとする構成になっている。
「志位さんが“資本論”を入口にするのは意外とアリかも」
「難しい理論じゃなくて、今の働き方とか経済の話につながるなら読んでみたい」
「若者に資本論ってズレてない?でも伝え方次第かな」
「変える力は自分たちにあるっていう発想は、逆に新しい」
「党の再生が“本”からってのが共産党らしい」
市民の間では、志位氏の“本気度”に好意的な反応が見られる一方、アプローチの実効性については慎重な声も上がっている。
参院選惨敗で浮き彫りになった「支持の断絶」
今回の出版には、参院選での厳しい結果が色濃く影を落としている。共産党は比例票を286万票にまで落とし、若年層や都市部での支持の浸透に苦戦。党員の高齢化も進み、志位氏は「世代的な継承が我が党にとっての大きな課題だ」と述べた。
特に新規党員の獲得や若者との接点づくりが長年の課題とされてきた中で、志位氏は「思想・理論面からのアプローチ」による突破口を模索している。「資本論」を“再武装”の原点とし、党再建の基軸に据える構えだ。
“思想の再構築”なるか 日本の左派に課された問い
資本主義批判の古典ともいえる『資本論』。世界的には再評価の機運もあるが、日本では共産主義アレルギーや政党不信も根強く、今回の志位氏の試みは「時代遅れ」との見方もある。しかし一方で、賃金停滞・格差拡大・労働環境の劣化など、マルクスが警鐘を鳴らした問題が再燃しているのも事実だ。
共産党が今後も政治的影響力を持ち続けるには、単なる批判ではなく、時代と接続したビジョンを提示できるかが鍵となる。志位氏の出版はその第一歩となるか、それとも「過去の理論への回帰」で終わるのか。来る総選挙を前に、その成果が問われることになりそうだ。