2025-05-17 コメント投稿する ▼
「互いに脅威とならない」日中関係の鍵に 日本共産党・志位和夫議長が福岡で訪中報告
日中関係の前進に向けた提言 志位和夫氏、福岡シンポジウムで報告
日本共産党の志位和夫議長は、2025年5月17日、福岡市で開催されたシンポジウム「東アジアでの平和の準備を in 福岡」において、4月末に行った中国訪問の報告を行い、日中関係の改善と平和のための提言を述べた。志位氏は「互いに脅威とならない」という原則を日中両国が再確認し、この原則に基づく行動が東アジアの安定に不可欠であると強調した。
日中両国に「互いに脅威とならない」原則を再確認
志位氏は、訪中時に中国人民対外友好協会や中国共産党の要人らと会談し、2008年の日中共同声明で確認された「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という原則を再確認することの重要性を伝えたと報告。これは、日中関係を平和的かつ前向きに発展させる鍵だと指摘した。また、尖閣諸島を含む東シナ海問題については、2014年の日中合意で確認された「対話と協議」による解決を両国が尊重すべきと述べた。
さらに、東アジアの平和構築には、特定の国を排除するのではなく、ASEANが提唱する「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を基に、包括的な多国間協力を進めるべきとの考えを示した。志位氏は、排除ではなく包摂を重視する姿勢が東アジア地域の安定に寄与すると強調した。
台湾問題と東シナ海問題で率直に意見を表明
志位氏は、会談の中で中国側に対し、東シナ海における力を背景とした現状変更の動きを自制し、平和的な手段で問題を解決するべきと率直に求めた。また、台湾問題に関しては、日本共産党として中国による武力行使に反対し、同時に第三国による軍事的関与も批判。台湾海峡の平和と安定を強く望むと表明した。
これに対し、中国側は志位氏の提言に対し理解を示し、双方の関係を重視する姿勢を明らかにした。中国共産党の要人は「意見の食い違いは避けられないが、大局的に見れば協力が重要」とし、対話を通じた関係強化を確認した。
日本政府への批判と改善提案
志位氏はまた、日本政府が「互いに脅威とならない」という原則を積極的に言及しなくなった現状を問題視。かつては日中首脳会談で日本側もこの原則を強調していたが、近年は発言が見られなくなっていると指摘した。その背景には、米国の対中戦略変更に伴う日本の対応があるとし、米国の対中軍事戦略に追随する中で、日本が独自の平和的姿勢を表明しづらくなっていると分析した。
志位氏は、日本政府が日中関係を律する基本原則として「互いに脅威とならない」を再確認し、軍事的対立を避けるための冷静で建設的な外交を展開するべきだと訴えた。
今後も対話を継続し、平和を目指す決意
志位氏は最後に、日中両国が対話を重ね、信頼を築きながら平和的な関係を構築することが最も重要であると強調。日本共産党としても今後も積極的に中国との対話を続け、東アジアの平和と安定のために努力を続ける決意を表明した。
* 日本共産党の志位和夫議長が福岡シンポジウムで訪中報告を行い、「互いに脅威とならない」原則を強調。
* 東シナ海問題は「対話と協議」による解決を、日本政府にはこの原則を積極的に再確認するよう求めた。
* 台湾問題では、中国による武力行使に反対し、平和的解決を望む姿勢を明確に。
* 米国の対中戦略に追随する日本の姿勢を批判し、独自の平和外交の必要性を訴えた。
* 日本共産党として、今後も中国との対話を継続し、東アジアの平和構築に貢献する決意を示した。