2025-04-27 コメント投稿する ▼
志位和夫氏、27年ぶり訪中 日中友好議連で両国関係前進に意欲
志位和夫氏、27年ぶりに訪中 日中関係前進へ意欲
日本共産党の志位和夫議長は4月27日午後、超党派で構成される日中友好議員連盟(会長・森山裕元農水相)の訪中団の一員として、東京・羽田空港から中国・北京に向けて出発した。訪問期間は短く、4月29日に帰国する予定となっている。
志位氏にとっての訪中は、1998年に日本共産党と中国共産党の関係正常化を受けての訪問以来、実に27年ぶりとなる。今回の訪中には、自民党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党など幅広い政党からも議員が参加しており、日中間の国際的・経済的な連携強化が期待されている。
志位氏「日中両国関係の前向きな打開を目指す」
出発前、志位氏は羽田空港で記者団に対し、「日本共産党は2023年3月に『日中両国関係の前向きの打開のために』という提言を発表し、両国政府に対して積極的な働きかけを行ってきた。その後、2024年4月には『東アジア平和提言』を発表し、より包括的な地域安定のビジョンを提示している」と述べた。
続けて、「これらの立場を踏まえ、今回の議連訪中団の一員として中国側と真摯に意見交換を行い、日中両国の関係が前進するよう全力を尽くしたい」と意欲を示した。志位氏の発言は、両国間の経済協力だけでなく、政治的信頼醸成にも重きを置いていることをうかがわせた。
日中関係を取り巻く現状と課題
近年、日中関係は、東シナ海を巡る領土問題や経済的な競争関係の激化、新型コロナウイルス対応などを背景に緊張が高まる局面もあった。しかし同時に、経済界を中心に「対話と安定的関係維持」への期待も強まっている。特に2025年には大阪・関西万博への中国企業の参加や、両国間の人的往来再拡大に向けた協議も本格化しており、政治レベルでの関係改善が強く求められている。
志位氏が言及した『東アジア平和提言』では、日中のみならず、米国、韓国、ASEAN諸国も含めた地域全体の緊張緩和と協力体制の構築が訴えられており、今回の訪中でもこうした地域的視野を共有できるかが注目される。
志位議長、日中友好の懸け橋となるか
今回の訪中は、単なる儀礼的な親善訪問ではない。志位氏自身が「前向きな打開」を掲げたように、今後の日中外交において新たな対話のきっかけをつくれるかどうかが焦点となる。特に、両国政府間だけでなく、政党間、議員間レベルでの相互理解を深める努力が、将来の信頼醸成に直結する可能性がある。志位氏の動向と、中国側の反応に注目が集まる。
- 志位和夫氏が27年ぶりに訪中、日中友好議員連盟の一員として北京へ。
- 日本共産党は『日中両国関係の前向きの打開のために』『東アジア平和提言』を提唱。
- 日中関係は緊張と協力の間で揺れるが、経済界や地域安定への期待は強い。
- 訪中を機に日中関係改善の突破口となるか注目される。