2025-11-09 コメント投稿する ▼
志位和夫議長が語る「自治体破壊の5つの波」――現場疲弊の原因と“公共をとりもどす”解決策を徹底解説
志位氏は、その一つ一つに応じながら、根本にある問題として「財界中心の政治」を鋭く批判し、「公共をとりもどす運動を広げよう」と呼びかけた。 志位氏はまず、自治体の職場が長年にわたって疲弊してきた歴史を説明した。 志位氏は、日本の自治体労働者の闘いが世界の動きと響き合っていることを紹介した。
「公共を取り戻す」──志位和夫議長が名古屋で語った、自治体労働のいま
名古屋で9日に開かれた「自治体労働者のつどい」に、日本共産党の志位和夫議長が登壇した。会場には保育、医療、自治体の現場で働く多くの職員が集まり、賃金、雇い止め、業務の民営化など、切実な悩みが相次いでぶつけられた。志位氏は、その一つ一つに応じながら、根本にある問題として「財界中心の政治」を鋭く批判し、「公共をとりもどす運動を広げよう」と呼びかけた。
なぜ自治体の現場がここまで疲弊したのか
志位氏はまず、自治体の職場が長年にわたって疲弊してきた歴史を説明した。その原因として挙げたのは、1990年代から続く“自治体破壊の五つの波”だ。
1. 非正規拡大を進めた1995年の日経連方針
自治体職員は30年で約50万人減り、その穴を非正規が埋め続けてきた。
2. 自治体を“営利企業化”させた1997年の地方行革指針
「民間に任せられるものは民間へ」という名目で公立保育園・公立病院の民営化が進んだ。
3. 大合併を加速させた1999年の分権一括法
市町村は半分近くに減り、過疎化や災害対応力の低下を招いた。
4. 職員削減を一段と強めた2005年の新行革指針
5. 人口減少を前提に自治体職員を半減させる構想(2018年)
志位氏は「これらはすべて財界の要求に沿って進められてきた。自治体の役割を切り捨ててきた政治そのものを転換しなければ、現場の苦難は終わらない」と語った。
深刻な保育士不足──原因は“薄すぎる配置基準”と低賃金
会場から「保育士不足はどうすれば解決できるのか」との質問が出ると、志位氏は率直に答えた。
「改善されたとはいえ、日本の保育士配置基準はOECD最下位レベルのまま。倍増させるくらいの抜本的な改善が必要です」
さらに、保育士の給与が全産業平均より8万円低い現状にも触れ、「高度な専門職にふさわしい賃金が必要だ」と強調した。
公立保育園の民営化が全国で加速してきた背景にも触れつつ、愛知県が全国有数の規模で公立保育園を守ってきた事実を評価。「自治体が直接責任を負う公立保育園は、質の高い保育の要です」と語った。
会計年度任用職員──“女性の犠牲に支えられた制度”
志位氏がとくに問題視したのが、会計年度任用職員の待遇だ。
・1年ごとの不安定契約
・正規職員とは大きく開く賃金格差
・勤続5年以上でも年収200万円に届かないケース
これらを示したうえで、「女性の犠牲で成り立つ制度は限界だ。雇い止めをやめ、常勤化・正規化の流れをつくるべきだ」と話した。
赤字続きの自治体病院──“不採算でも地域を守る最後の砦”
医療関係者からの質問では、「病院経営がもたない」という悲鳴が上がった。志位氏は、自治体病院の赤字率が9割に達している実態を挙げ、その理由をこう説明した。
「民間では担えない救急、小児、産科、感染症、へき地医療を引き受けてきたのが自治体病院。努力が足りないのではなく、必要な役割を果たしているから赤字になるのです」
だからこそ、診療報酬の抜本的引き上げと緊急補助が必要だと強調。さらに、「公共的な仕事は民営化されても公共性は消えない。闘えば取り戻せる」と参加者を励ました。
どう団結をつくるか──“あきらめれば現状は永遠に変わらない”
最後の質問は「どう団結をつくるのか」という、労働組織の根本の悩みだった。
志位氏はマルクスの『資本論』を引用しながら、労働者の分断を生む構造を解説。「長時間労働は、考える力も学ぶ時間も、団結する時間さえ奪う」と述べ、「自由な時間を取り戻すことと、闘いをつくることは一体だ」と呼びかけた。
「公共をとりもどす」──世界でも広がる潮流
志位氏は、日本の自治体労働者の闘いが世界の動きと響き合っていることを紹介した。
・ニューヨーク市で公共交通の公営化や保育無償化を掲げた候補が勝利
・英国で公共インフラの再国有化を求める運動が拡大
「公共をとりもどす流れは世界的です。日本でも大きく広げていきましょう」と熱を込めた。
「人間らしく生きられる社会をともに」──志位氏の締めくくり
最後に志位氏は、自治体労働者が「住民に奉仕しながら、自分たちの権利のためにも闘う」という二重の役割を担っていることに敬意を示し、こう述べた。
「歴史の岐路に立ついま、人間らしい生き方を選び、力を合わせて社会を変えましょう」