2025-10-11 コメント投稿する ▼
志位和夫×鈴木邦和「77分で資本論」 党派超え広がる共感 希望を語る知的対談
鈴木氏が「4時間以上も“自分の自由”が奪われているとは驚き」と語ると、志位氏は「搾取の実態を見えなくするのが資本主義の構造だ。 鈴木氏は「資本論の話からジェンダーの話につながるとは思わなかった」と驚き、「過去の理論ではなく、今と未来を照らす内容だ」と応じた。 志位氏は「資本主義を超えた社会とは、個人の自由で全面的な発展を可能にする社会」と定義し、「労働時間の抜本的短縮こそ、その鍵」と主張した。
志位和夫×鈴木邦和「赤本対談」 77分で『資本論』を語る 党派を超えて広がる共感と知的熱狂
日本共産党の志位和夫議長が出演したYouTube番組「選挙ドットコム」の特別対談が、11日に公開され注目を集めている。番組タイトルは「77分で『資本論』がよくわかる日本共産党・志位和夫議長が集中講義!」。聞き手を務めたのは、同サイト編集長の鈴木邦和氏だ。
政治的立場を越え、「資本主義の限界」と「希望」をめぐる議論が深まり、ネット上では「大学講義より面白い」「未来に希望がもてる」との声が相次いでいる。
「資本論」は古びていない
番組冒頭、鈴木氏は『資本論』について「150年前の本なのに、今の資本主義を的確に分析している」と述べた。志位氏はこれに応え、「マルクスは“お金の搾取”だけでなく、“時間の搾取”をも暴いた」と指摘。
「日本では1日8時間労働のうち、必要労働は3時間42分、残りの4時間18分は資本家の利益のための“剰余労働”です」と説明した。
鈴木氏が「4時間以上も“自分の自由”が奪われているとは驚き」と語ると、志位氏は「搾取の実態を見えなくするのが資本主義の構造だ。科学でそれを解き明かしたのがマルクス」と語った。
「1日5時間労働でいいと言われたらわくわくします」
「自由を得て何でもできる気がします」
「それを目指すのが社会主義・共産主義の理念です」
志位氏の語り口は柔らかく、理論を押しつけるものではなく、生活実感に寄り添う内容だった。
「未来の教育」「ジェンダー平等」にまで広がる思想
番組中盤では、マルクスが『資本論』第13章「機械と大工業」で提示した“未来社会の萌芽”に焦点が当てられた。志位氏は「機械化は労働者を苦しめもするが、同時に新しい社会の要素も生み出す」と指摘。
初等教育の制度化や女性の社会進出が、資本主義の中から生まれた歴史を紹介し、「古い家族制度の解体が、ジェンダー平等の源流でもある」と述べた。
鈴木氏は「資本論の話からジェンダーの話につながるとは思わなかった」と驚き、「過去の理論ではなく、今と未来を照らす内容だ」と応じた。
気候危機も分析対象に “あとの祭りの経済”への警鐘
志位氏は、マルクスが既に19世紀の時点で「環境破壊」を警告していた点にも言及した。
「資本主義的農業は“物質代謝の攪乱”を引き起こす」とのマルクスの記述を紹介し、「地球規模の気候危機を予見した理論的洞察だ」と説明。
さらに「未来社会では“社会的理性”が働き、計画的で持続可能な生産体系が築かれる」と語った。
鈴木氏は「“社会的生産の管理・規制”という発想は、現代のSDGsや脱成長論とも通じる」と共感を示した。
「自由な時間」が開く未来社会
志位氏は「資本主義を超えた社会とは、個人の自由で全面的な発展を可能にする社会」と定義し、「労働時間の抜本的短縮こそ、その鍵」と主張した。
鈴木氏は「非常に魅力的。労働者が本当の意味での“自由”を取り戻すということですね」と応じた。志位氏は「社会変革は自然に起きない。労働者が闘いの中で自らを成長させることで進む」と述べ、社会主義を“人間の成熟のプロセス”として描いた。
「人類はその先に進む力を持っている」
「社会は変わるし、変えられる。みんなでたたかって社会を変えましょう」
対談は、理論ではなく希望のメッセージで締めくくられた。
ネットで広がる高評価 「支持政党関係なく見る価値」
動画公開後、コメント欄やSNSでは予想外の反響が広がっている。「共産党支持ではないが、講義として非常に有意義」「大学の授業よりわかりやすい」「未来に希望が持てる」といった投稿が相次いだ。
「主義主張は別として、教養として見てよかった」
「資本論の解説がわかりやすく、実際に本を買って読みたくなった」
「暗い時代の中で“希望”の話を聞けた」
特定のイデオロギーを押し付けない、知的でオープンな語りが世代を超えて共感を呼んだ。
思想を超えて“希望を語る政治”へ
今回の志位×鈴木対談は、左派的理論の宣伝ではなく、「資本主義社会をどう生きるか」という普遍的な問いへの挑戦だった。
志位氏の言葉には、単なる体制批判ではなく、人間の可能性を信じる強いメッセージがある。
「自由な時間」「教育」「平等」「環境」――どれも党派を問わず共感できる課題だ。77分の“集中講義”は、政治への関心が薄れた時代に、再び「考える政治」の価値を呼び覚ました。