赤本講義(3):未来を紡ぐ生産力と労働者の主体性

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赤本講義(3):未来を紡ぐ生産力と労働者の主体性

」を軸に、資本主義下の生産力と未来社会の生産力の対立、そして労働者が「建設者」として成長する可能性を鮮やかに描き出します。 講義では、資本主義下での生産力発展には害悪がある一方で、未来社会を可能にする条件も作り出すという視点を強調します。

資本からの解放をめざす生産力論


志位和夫議長による「赤本」講義第三回は、未来社会における生産力の質と、労働者階級の主体性を巡る視点を深く掘り下げたものです。第4章「生産力の発展が労働者にもたらすものは何か?」を軸に、資本主義下の生産力と未来社会の生産力の対立、そして労働者が「建設者」として成長する可能性を鮮やかに描き出します。

資本主義における“資本の生産力”の実像


志位氏は、生産力とは本来、人間が自然に働きかけて使用価値を生み出す能力、すなわち労働の生産力だと説きます。だが、資本主義体制下ではそれが資本の支配のもとに置かれて「資本の生産力」となり、搾取を強め、環境を破壊する力として作用します。

講義では、資本主義下での生産力発展には害悪がある一方で、未来社会を可能にする条件も作り出すという視点を強調します。具体的には、労働時間を抜本的に短縮できる条件をつくり、労働者を社会生産の担い手として育てるという可能性がそこに含まれる、という論点です。

さらに未来社会では、労働時間の過剰な拡大を避けつつ、質的な発展を追求する生産力が求められます。地球環境が有限である以上、量を無制限に追うのではなく、より洗練された生産様式こそが理想とされます。

未来の“建設者”としての労働者階級の展開


講義は『資本論』第13章「機械と大工業」に言及し、機械制大工業の発展が労働者階級を未来社会の主体的担い手へと進化させる要素を含むと論じます。資本主義下では機械が主役、労働者が従属物と化しますが、未来社会では労働者自身が機械システムを運営・統御する“結合した(アソツィールテ)労働者”となる展望が示されます。

志位氏は、これは第8章「労働日」で論じられる“変革者”としての成長と異なる視点であると説明します。すなわち、古い社会を変える力ではなく、新しい社会を実際に形作る力としての成長です。

また、工場制度が“未来の教育”を芽吹かせ、古い家族制度を解体してジェンダー平等の基礎を築く可能性にも触れられています。女性・子どもの権利が保障されなければ、この建設者としての成長は実現しえないという論点も強く示されます。

加えて、志位氏はマルクスによる「工場法の一般化」が、社会変革の契機となる理論として機能することを語ります。これは第24章「いわゆる本源的蓄積」における社会革命論とも連動します。

物質代謝と環境:未来を見据えた生産力論


講義では、マルクスが労働過程と物質代謝を「自然的条件」と捉えていたことが再確認されます。さらに、大工業化と農業の関係を論じる章では、資本主義が自然との均衡を攪乱するという予見が示されています。

志位氏は、マルクスが労働者からの「略奪」と自然からの「略奪」が一体であると説いていた点を強調します。現代において、労働と自然の双方を搾取する構造が見えるなかで、この理論は今日的な批判力を持ちます。

そして、未来社会では地球を私的に所有する思想が批判され、すべての人と次世代への責任を前提とする関係性が再構築されるという展望が語られます。

今日への問いと課題


志位氏の講義は、資本主義的発展、環境破壊、格差拡大、労働時間の問題などと直結する理論的視点を提供しています。生産力向上は単なる量的成長であってはならず、それをどう制度的に配分し、誰が制御するかを制度設計の視点で問うべき課題になります。

また、労働時間短縮を制度として確立する仕組みが、現行の資本主義体制下でしばしば吸収されてしまう点も課題です。しかし、未来社会では労働者自身がそれを決定できる力を持つ可能性が論じられます。

もっとも、“資本主義枠組みをどう変えるか”の具体的設計や実行力との結びつきは未解明の点も多く残ります。理論と実践をつなぐ視点の深化が不可欠でしょう。

「資本主義を乗り越える構想が、こんなに具体的に語られるとは思わなかった」
「赤本講義で初めてマルクスが環境も語っていたと知った」
「労働者が“建設者”になる未来って希望に満ちてる」
「機械と人との関係性が逆転する社会を見たい」
「環境と生産を両立させる質的発展という視点が胸に迫る」

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2025-10-08 10:41:10(S.ジジェク)

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