2026-01-17 コメント投稿する ▼
茂木外相、フィリピンとACSA署名しインドとレアアース連携強化 中国牽制へ同志国連携加速
フィリピンとインドでは安全保障や経済安全保障分野での協力を確認し、覇権主義的な動きを強める中国を牽制しています。 外務省は1月9日、茂木外相氏が1月10日から18日の日程でイスラエル、パレスチナ、カタール、フィリピン、インドを訪問すると発表していました。 中国と領土問題で緊張するインドとの会談では、中国の対日輸出規制強化を踏まえ、レアアースのサプライチェーンの強靱化を目指すことを申し合わせました。
茂木敏充外相氏は2026年1月17日、中東とアジアを歴訪し帰国の途に就きました。フィリピンとインドでは安全保障や経済安全保障分野での協力を確認し、覇権主義的な動きを強める中国を牽制しています。米国を交えた多国間枠組みの重要性を訴えつつ、中東ではガザ和平実現への貢献姿勢をアピールしました。
茂木氏は1月16日、インドのニューデリーで記者団に「インド太平洋地域で力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されているのを踏まえ、同志国との連携を深化させる重要性を共有できた」と外交成果を強調しました。名指しこそ避けたものの、念頭にあるのは明らかに中国です。
外務省は1月9日、茂木外相氏が1月10日から18日の日程でイスラエル、パレスチナ、カタール、フィリピン、インドを訪問すると発表していました。今回の歴訪は、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、同志国との連携強化を図る狙いがあります。
フィリピンとACSA署名で防衛協力を強化
1月15日、茂木外相氏はフィリピンのマニラでマリア・テレサ・ラザロ外相氏と約120分間にわたり会談し、物品役務相互提供協定に署名しました。この協定により、自衛隊とフィリピン軍の間で燃料や弾薬、食料などを融通し合うことが可能になります。
「中国の海洋進出が止まらない。日本もフィリピンも対抗しなきゃ」
「ACSAって要するに有事の備えでしょ。緊張感が高まってる証拠だよ」
「南シナ海の問題、日本も無関係じゃいられないってことか」
「中国への牽制はいいけど、巻き込まれないか心配」
「フィリピンと協力するのは地政学的に重要だと思う」
フィリピンは中国と南シナ海で領有権争いを抱えています。国際的な裁定で中国の主張には法的根拠がないとされたにもかかわらず、中国政府はそのほぼ全域を自国の領有権の下にあると主張し続けています。両国は近年、安全保障面での結びつきを大幅に深めており、ともに米国との安全保障パートナーシップに参加しています。
茂木氏は共同記者会見で、新たな物品役務相互提供協定は両国間の安全保障協力が「急速に拡大している」ことを示していると述べました。日本政府はフィリピンが南シナ海での巡視船や海上監視システムの近代化を支える主な資金提供国となってきました。茂木氏は、2023年以降に2000万ドル以上が拠出されている政府安全保障能力強化支援による資金が、初めてインフラ整備に充てられることも明らかにしました。
インドとレアアース供給網の強靭化で合意
中国と領土問題で緊張するインドとの会談では、中国の対日輸出規制強化を踏まえ、レアアースのサプライチェーンの強靱化を目指すことを申し合わせました。2026年1月6日、中国商務部は軍民両用品目の対日輸出を即日禁止する措置を発表しており、日本の防衛政策強化に対する牽制措置としての性格を有しています。
レアアースは電気自動車駆動用モーター、蓄電池、風力発電機、スマートフォンなどの先端機器に不可欠な戦略的資源です。世界のレアアース確認埋蔵量は9000万トン以上で、国別では中国が4400万トン で首位、ブラジル2100万トン、インド690万トン、オーストラリア570万トンが続きます。
問題は採掘段階と精製・加工段階の地理的分離にあります。鉱石から工業利用可能な形態への精製・加工工程において、中国は世界市場の91パーセントを占有しています。採掘地点の如何にかかわらず、中間加工段階で中国への依存が不可避となる構造が、現行サプライチェーンの最大の脆弱性です。
野村総合研究所などの試算によれば、レアアース輸入の3カ月間停止による経済損失は約6600億円、1年間では2兆6000億円に達します。消費者への影響としては、自動車の納期遅延、家電・電子機器の供給制約、および2010年規制時に観測された数倍規模の価格高騰の再現が想定されます。
中東ではガザ和平への貢献姿勢をアピール
中東では、中立的な日本の立ち位置を生かし、パレスチナ自治区ガザの和平実現に貢献する姿勢をアピールしました。イスラエルではサアル外務大臣と会談し、中東情勢及びガザ再建に向けた国際的な取組を中心に議論しました。また、ガザ支援の多国間調整拠点である軍民調整センターを訪問しています。
パレスチナではアッバース大統領、ムスタファ首相との会談を行い、ガザを含むパレスチナをめぐる情勢について議論するとともに、「二国家解決」の実現に向けパレスチナの自立を後押しする日本の取組について説明しました。
今回の歴訪を通じて、茂木外相氏は安全保障と経済安全保障の両面で同志国との連携を強化しました。中国の覇権主義的な動きに対抗するため、日本は多国間の枠組みを重視する姿勢を鮮明にしています。特にレアアースのサプライチェーン強靱化は、日本の産業基盤を守る上で喫緊の課題となっています。