2026-01-13 コメント投稿する ▼
茂木外相が中東・アジア歴訪。米国際開発庁解体でも「日本は主体的に支援」と強調
茂木敏充外務大臣氏は、2026年1月10日から18日の日程で、イスラエル、パレスチナ、カタール、フィリピン、インドを訪問しています。 茂木外務大臣氏は今回の訪問で、イスラエルとパレスチナ双方の政府関係者と議論を交わしました。 自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携の強化について議論する予定です。 中東の和平と自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、日本の果たす役割は一層重要になっています。
茂木外務大臣氏は2025年10月21日に発足した高市内閣で外務大臣に再任されました。安倍政権時代に日米貿易交渉を担った経験を買われ、日米関税合意の履行に向けた米国との調整も担当しています。今回の訪問は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持に向けた日本の姿勢を示すものです。
米国の援助後退でも日本は主体的に支援
茂木外務大臣氏は1月11日、最初の訪問先となるイスラエルで臨時記者会見を実施しました。その際、記者から米国国際開発庁解体と開発援助の後退について質問を受けました。米国のトランプ政権は2025年1月の発足直後から米国国際開発庁の解体を進めており、世界の開発援助体制に大きな影響を与えています。
茂木外務大臣氏は「昨年9月には、パレスチナ自治政府の財政持続可能性のための緊急連合が有志国の間で結成されまして、日本も当初から参加をして、財政面での支援も強化をしているところであります。どの国がどうだから、というよりも、日本として主体的に、もしくは、日本として、同じ思いを持つ国を広げて、支援をしていくことは極めて重要なんじゃないかなという風に考えております」と述べました。
この発言は、米国の援助政策の変化に左右されず、日本が独自の判断で国際支援を継続する姿勢を明確にしたものです。米国国際開発庁は1961年に設立され、100カ国以上で活動してきましたが、トランプ政権は政府効率化を理由に約1万人の職員のうち大多数を解雇し、国務省への統合を進めています。
「日本は米国に頼らず独自の支援を続けるべきだ」
「開発援助は人道的に重要で削減すべきでない」
「米国国際開発庁解体は世界の安定を損なう」
「日本の主体的な外交姿勢を評価する」
「有志国との連携強化が今後の鍵となる」
国際社会では、米国の援助停止によって医療機関や人道援助サービスが相次いで閉鎖される事態が発生しています。特にエイズ、結核、マラリアなどの治療薬の供給停止により、多くの人々の健康状態の悪化が懸念されています。
中東和平への積極的関与
茂木外務大臣氏は今回の訪問で、イスラエルとパレスチナ双方の政府関係者と議論を交わしました。イスラエルではギデオン・サール外相氏と会談し、中東情勢やガザ復興に向けた国際的な取り組みについて協議しました。また、ガザ支援の多国間調整拠点である民軍調整センターを訪問しました。
パレスチナでは、マフムード・アッバース大統領氏、ムスタファ首相氏と会談し、ガザを含むパレスチナを取り巻く情勢について協議しました。日本はパレスチナの独立と二国家解決策の実現を支援しており、その取り組みについて説明しました。
茂木外務大臣氏は出発前の記者会見で「イスラエルとパレスチナを取り巻く状況の改善のためには、包括的計画の着実な実施が重要であり、日本としても積極的な役割を果たす考えであります」と述べていました。長年にわたる相互不信の払拭には、イスラエル、パレスチナ双方が具体的な前向きな行動をとることが重要だと強調しました。
自由で開かれたインド太平洋の推進
フィリピンでは、エンリケ・マナロ外務大臣氏と会談を行いました。2026年は日比国交正常化70周年にあたり、同国が本年の東南アジア諸国連合議長国を務めることも念頭に、安全保障や海洋分野を始めとする二国間協力及び地域における協力の重要性を確認しました。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携の強化について議論する予定です。
高市政権は自由で開かれたインド太平洋を外交の柱として位置づけています。2026年は同構想の提唱から10年の節目にあたり、時代の変化に合わせて進化させていく方針です。中国の海洋進出や軍事動向が懸念される中、フィリピンとの協力強化は地域の安定に不可欠です。
インドでは、スブラマニヤム・ジャイシャンカル外務大臣氏との会談が予定されています。インドは自由で開かれたインド太平洋の重要なパートナーであり、安全保障や経済分野での協力を深める見込みです。
開発援助における日本の役割
米国国際開発庁の解体により、世界の開発援助体制は大きな転換期を迎えています。米国は世界最大の政府開発援助拠出国であり、米国国際開発庁の予算は年間400億ドル約6兆円に上ります。米国の援助停止によって生じる空白を、中国が埋める可能性も指摘されています。
日本は伝統的に開発援助を外交の重要な柱としてきました。独立行政法人国際協力機構を通じた技術協力や資金協力は、開発途上国の経済発展と社会安定に貢献してきました。米国の援助政策が後退する中、日本が主体的に支援を継続し、有志国との連携を強化することが国際社会の安定にとって極めて重要です。
しかし、日本の開発援助には透明性と効果測定の強化が求められます。納税者への説明責任を果たすため、具体的な数値目標と期限を設定し、成果を明確に示す必要があります。費用対効果を検証し、国益との関連を明確にすることで、持続可能な支援体制を構築すべきです。
茂木外務大臣氏の今回の訪問は、米国の政策変化という国際環境の中で、日本が主体的に外交を展開する姿勢を示すものです。中東の和平と自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、日本の果たす役割は一層重要になっています。