2025-11-14 コメント投稿する ▼
茂木敏充外相管轄のJICAがアフリカ産業育成に5000万ドル出資
JICAは2025年11月12日、アフリカの大手プライベート・エクイティファンドであるHelios Investment Partnersとの間で出資契約に調印し、5,000万米ドルの出資を行うことを発表しました。
茂木敏充外務大臣の管轄する外務省傘下の国際協力機構(JICA)が、アフリカの産業育成に向けた大規模な投資を実施することが明らかになりました。JICAは2025年11月12日、アフリカの大手プライベート・エクイティファンドであるHelios Investment Partnersとの間で出資契約に調印し、5,000万米ドルの出資を行うことを発表しました。
アフリカ最大級ファンドへの戦略的投資
出資先は「Helios Investors V, L.P.(Helios Fund V)」で、対象地域はアフリカ広域となります。案件名は「産業育成PE投資事業」です。Helios Investment Partnersは2004年設立のロンドンを拠点とするアフリカ特化型プライベート投資ファンドで、ナイロビとラゴスにもオフィスを構え、約30億ドルの運用資金を管理しています。
Heliosは2004年の設立以来、アフリカ最大級の投資ファームの一角を占めており、スタートアップから既存企業への成長資金提供まで幅広い記録を持ち、多様な投資家ベースには世界有数のソブリンウェルスファンド、企業年金基金、大学基金、ファンドオブファンズ、ファミリーオフィス、開発金融機関が含まれています。
「アフリカへの5,000万ドル投資って国民の税金でしょ。ちゃんと国益に繋がるの?説明が必要だと思う」
「でもアフリカは将来性があるし、今から投資関係を築くのは賢明じゃない?資源も豊富だし」
「世界銀行やヨーロッパの機関と協調してるなら、リスク分散もできてるし悪くない投資かも」
「ポピュリズム外交じゃなくて、本当に日本の長期的な利益を考えた戦略なのかが重要よね」
「アフリカの産業育成に貢献できれば、将来的に日本企業にもビジネスチャンスが生まれそう」
国際機関との協調による投資リスク分散
今回の取り組みは、世界銀行グループの国際金融公社、欧州連合の政策金融機関である欧州投資銀行等の開発金融機関及び民間投資家と協調してHeliosの5号ファンドに出資するものです。この国際協調投資により、投資リスクの分散と専門性の結集を図っています。
海外援助における国益説明の重要性が改めて問われる中、この事業はアフリカ地域において企業の競争力強化とPE市場の育成による金融アクセス強化を図り、同地域の産業育成に貢献することを目的としています。
SDGs達成とTICADプロセスとの連携
事業は6つのSDGs目標に貢献することが明記されており、ジェンダー平等、働きがいのある経済成長、産業と技術革新、不平等の解消、気候変動対策、パートナーシップの推進が含まれています。
また、この事業はJICAが2025年8月22日に第9回アフリカ開発会議のサイドイベントで発表した官民の共創によるインパクト投資イニシアチブ「IDEA(Impact Investing for Development of Emerging Africa)」の旗艦案件となるものです。
アフリカ投資の戦略的意義
Heliosは経済の自由化、テクノロジー主導の生産性向上、人口動態とアーバニゼーションがアフリカ大陸における一般的・構造的成長を牽引し、投資機会を創出しているとして、これらのテーマと密接に関連するセクターに焦点を当てた投資を行っています。
日本企業も既にアフリカ投資に注目しており、双日は2022年にHeliosとアフリカ地域における協業に関する覚書を締結し、クリーンエネルギーやIT、ヘルスケア、社会インフラ分野での協業を追求しています。