2025-08-06 コメント投稿する ▼
小泉農水相「需要に応じた生産が基本」 コメ増産方針で農家の不安払拭へ
小泉農水相「需要に応じたコメ生産が基本」
コメ増産方針を巡り、農家から価格下落への懸念が広がる中、小泉進次郎農林水産相は6日午前、自民党農林部会の幹部らと農水省で面会し、「需要に応じた生産が基本だ」と強調した。石破茂首相が5日の関係閣僚会議で事実上の減反に終止符を打つ方針を示しており、現場への影響を抑えながら政策転換を進める構えだ。
小泉氏は記者団に対し、「全ての農家に一律で増産を求めるものではない。増産意欲が持てる環境を整備する」と説明。農家の不安を和らげる姿勢を示した。
価格下落懸念にどう応えるか
面会後、上月良祐農林部会長は「つくりたいだけ作っても価格は守れない。需要を生み出す政策が必要だ」と述べ、増産と市場価格維持の両立を求めた。自民党内でも、値崩れを懸念する声は根強く、議員からは「価格が下がれば農家経営は直撃される」「需給のバランスを見極めるべきだ」との意見が相次いでいる。
「増産はいいが、売れなければ意味がない」
「需要を喚起する施策とセットでなければ価格は守れない」
「農家の生活を守る視点を忘れないでほしい」
「減反見直しは慎重に進めるべきだ」
「輸出拡大も視野に入れた戦略が必要」
減反からの転換と今後の課題
減反政策は1970年代から続き、国内消費減少に対応して生産量を抑制してきた。しかし、近年は食の多様化や人口減少で需要は縮小し、農業従事者の高齢化も進む。石破政権は増産を通じて輸出拡大や加工用米需要の掘り起こしを狙うが、国内価格への影響は避けられないとの見方もある。
小泉氏は、輸出市場開拓や米粉利用拡大など、新たな需要創出に向けた政策パッケージを進める方針だ。一方で、需給バランスの崩壊による価格下落を防ぐ調整策が不十分だと、農家の不安は払拭されないままだ。
農政転換の成否は需要創出に
今回の増産方針は、単に生産量を増やすだけではなく、需要拡大の具体策と市場価格安定策を同時に実施できるかが成否を分ける。農家にとっては、生産意欲を保ちながら収益を確保できる環境づくりが不可欠だ。政府と与党の舵取りは難航が予想されるが、消費者の選択肢拡大や農業輸出の強化といった成果につなげられるかが問われている。