2025-08-01 コメント投稿する ▼
小泉進次郎農相「アスリートの次の舞台は農業へ」中田英寿氏らと“アス→ノウ”プロジェクト始動
「セカンドキャリアに農業を」小泉農相が提言
農林水産省は8月1日、スポーツ界と農業界を結ぶ新たな試みとして、アスリートのセカンドキャリア支援を目的とした勉強会を発足させた。中心となるのは小泉進次郎農相で、「引退後の選択肢として、農業という道を真剣に考えてほしい」と訴えた。
プロジェクト名は「アス→ノウ」。アスリート(アス)から農業(ノウ)への転身を意味し、農業の担い手不足とアスリートの引退後のキャリア課題という、双方の構造的問題に同時にアプローチする構想だ。
「アスリートの中には、社会貢献や身体を使う仕事に関心がある人も多い。農業にはそうした人材の活躍の場がある」と小泉氏は語り、単なる労働力の補填ではなく、農業の新たな価値を一緒に創っていくパートナーとして位置づけた。
中田英寿氏も参加 勉強会に13名の有識者が名を連ねる
今回のプロジェクトには、サッカー元日本代表の中田英寿氏がアドバイザーとして参加。現役引退後に全国の生産者を訪ね歩き、日本の地域と食に向き合ってきた経験から、「農業は人と人、地域と人をつなぐ最前線の仕事」と語る。
そのほか、日本バドミントン協会の村井満会長や日本サーフィン連盟の寺尾恵一理事長など、スポーツ界からも実務に明るい13人が委員として名を連ね、農水省、スポーツ庁との官民連携での体制づくりを目指す。
勉強会では、アスリートの農業参画における障壁――知識不足、初期投資、土地の確保、収入の不安定さ――をどう乗り越えるかが議論の中心となる。
20代で引退する現実と農業の可能性
特にプロスポーツ選手の多くは、20代半ば〜後半で現役を退くケースが多く、その後のキャリア構築が大きな課題となっている。一方、農業界では高齢化と担い手不足が深刻で、新規就農者をいかに増やすかが国の課題でもある。
今回のプロジェクトでは、農業を単なる“仕事”ではなく、人生の“再出発の場”として位置づけ、アスリートが自らのブランドや体力、発信力を活かしながら農業を盛り上げていく姿を描いている。
小泉農相は、「今の農業には、新しい力とストーリーが必要。アスリートが関わることで、地域も若返り、注目も集まり、農業がもっと魅力的な産業になる」と期待を込めた。
有権者・国民からの声
「農業に中田英寿って響きだけでワクワクする。こういう連携は大歓迎」
「引退後に不安を抱えるアスリートにとって、農業は確かに良い選択肢かも」
「進次郎さん、珍しく筋が通ってる話でびっくり。応援したい」
「体力ある人が農業やるのって理にかなってるし、地域も活性化する」
「農業に新しい風を入れてくれるなら、どんどんやってほしい」
課題は“就農のハードル”と制度整備
一方で、アスリートが本格的に農業を始めるには現実的な課題も多い。農業に必要なノウハウや設備、初期投資、収入の見通しなど、多くの壁が存在する。農水省は今後、自治体やJAとの連携を強化し、就農研修や資金支援の拡充を検討する。
また、アスリート自身のネットワークを活かした農産物のブランド化や発信力の活用も重要となる。これまでにない形で農業とスポーツが交わることで、地域振興や新たな雇用モデルの構築にもつながる可能性がある。
小泉農相は、「単なる“やってみよう”で終わらせず、制度として持続可能な仕組みを作りたい」と語り、年内にも具体的な支援策の提示を目指している。