2025-07-30 コメント投稿する ▼
コメ需要、38万トン上振れで生産3年連続下回る 農水省は予測外れで異例の見通し公表見送り
需要実績、予測を大幅に上回る
農林水産省は30日、2023年7月から2024年6月末までの1年間のコメ需要が、当初見通しの673万トンを38万トン上回る711万トンに達したと正式に発表した。2024年産米の生産量は679万トンにとどまり、需要が生産を上回る状態は3年連続となった。
今回の結果は、コメ価格高騰が続く中で「コメは足りている」としていた農水省の説明と大きく食い違い、価格抑制のための備蓄米の放出が後手に回った要因とも指摘されている。
見通し精度に疑問、公表初の見送り
農水省は毎年7月末に翌年のコメ需要予測を公表してきたが、今年は初めて公表を見送った。その理由として、「見通しが外れた要因を精査するため」と説明している。予測精度に疑問が持たれる中での発表見送りは、農政の透明性や信頼性にも関わる問題だ。
農水省は今後、統計手法や需要把握の精度を見直す方針を示しているが、米価の高騰や流通現場への影響を踏まえ、政策の見直しを急ぐ必要がある。
備蓄米でかろうじて対応、在庫は最少水準
政府は2024年6月末までに備蓄米を36万トン放出し、結果的に上振れ需要とほぼ同量を市場に供給した。これにより民間在庫量は157万トンと、昨年と同水準に留まったものの、依然として過去最少水準にある。
備蓄米の即時放出がなければ、さらなる価格高騰や需給逼迫を招いていた可能性もあり、今後の備蓄管理の在り方や、放出判断の迅速化が求められる。
政策転換へ 農水省は増産へ舵
農水省はこれまでコメの需給バランスを重視し、生産調整(減反政策)を推進してきたが、今回の需要上振れと生産不足を受けて、コメ増産を後押しする方向へ政策を転換する。背景には、外食やインバウンド需要の回復、家庭内消費の底堅さなどがあるとされている。
同時に、持続可能な農業経営の観点から、作付け面積の回復支援や、水田活用の柔軟化、米価安定への支援強化も検討されている。
市民・有権者の声「足りてたって嘘だった?」
農水省の見通し外れと予測公表の見送りに対して、SNSでは市民や有権者から疑問や不信の声が広がっている。
「足りてるって言ってたのに、結局足りてなかったのか」
「見通しが外れるのは仕方ない。でも黙って公表やめるのは信頼失う」
「値段上がってたのに、備蓄米出すのが遅かった理由が分かった」
「毎年コメ余ってるって聞いてたのは何だったんだ」
「需要増えてるなら、農家支援してもっと作れるようにして」
コメは日本人の主食であり、価格や供給は生活に直結する。農水省の説明責任と、現場目線での政策判断が今まで以上に求められている。