2025-06-02 コメント投稿する ▼
政府備蓄米がコメ価格に影響か?平均4260円に下落も高値続く実態とは
コメ価格、3週ぶりに下落も依然高値圏 政府の備蓄米放出に注目集まる
全国のスーパーで販売されるコメの平均価格が、5月下旬にかけてわずかに下がった。政府が備蓄米を市場に供給し始めたことが影響しているとみられるが、根本的な価格安定には至っていない。今後、消費者の反応や事業者の動きが注目される。
平均価格が4260円に下落 備蓄米が価格圧力に
農林水産省の調査によると、5月19日から25日の1週間に販売されたコメの平均価格は、5キログラムあたり税込4260円で、前週から25円安くなった。これまで過去最高を更新し続けていたが、今回ようやく3週間ぶりに値下がりへと転じた。
銘柄米とブレンド米の価格もそろって下落し、銘柄米は4453円、ブレンド米は3918円と小幅に下がっている。とはいえ、コメの販売量は前年同時期に比べて8.3%減少しており、高値が続いた影響が購買意欲を削いでいることがうかがえる。
政府備蓄米の放出が始動 大阪では即日完売
こうした背景の中、政府は価格安定を目的に備蓄米の随意契約による放出を開始。大手スーパー「イオン」の大阪店舗では、5キロあたり約2100円の備蓄米が販売され、開店前から長蛇の列ができるほどの盛況ぶりだった。店頭には4800袋が並んだが、約4時間で完売したという。
ある来店者は >「安く買えてよかったです。子どもが3人いて、コメの消費量が多いので助かります」と語った。コスト高に悩む家庭の声が反映されたかたちだ。
中小事業者の関心も高まる 一方で品質への不安も
中小の販売業者を対象とした備蓄米の申し込みも急増しており、6月2日時点で1450件を超えた。農水省は受け付け態勢の強化を進めているが、精米設備を持つ販売業者向けの2万トン枠については、申し込みが上限に達した可能性があるとして受付を一時休止した。
一方、古い備蓄米の品質を懸念する声もある。大阪府八尾市の販売店は >「購入できたとしても味も分からないので、ずっと不安です」とコメント。広島県のスーパー「万惣」も品質への懸念から申し込みを見送ったという。
専門家「価格下落は限定的」 来年の秋まで高値継続か
流通経済研究所の折笠俊輔氏は、今後の価格見通しについて「市場に備蓄米が広く浸透しても、7月や8月までは銘柄米の価格は大きく下がらない可能性がある」と指摘。さらに、「今の相対取引価格は60キロあたり2万6000円~2万7000円で推移しており、5キロ換算でも4000円を下回ることは難しい」との見解を示した。
長期的には、今年の作付け状況次第で、来年秋以降に価格が落ち着く可能性があるとしている。
ネット上の声
SNSでも政府の対応や備蓄米販売に注目が集まっている。
「中抜きたくさんできそうですね」
「政府が放出しても、卸が市場に回さなければ意味がないのでは」
「コメ高すぎて困ってたから、備蓄米ありがたい」
「買ってみたけど、普通においしかったよ」
「おにぎりにしたら、新米と遜色ないってほんと?」
政策の課題と今後の焦点
自民党内でも、政府備蓄米で作ったおにぎりの試食会が行われ、「新米に劣らない味だった」との声が上がった。小野寺政調会長は >「選択肢を広げることが大切だ」と述べ、今後のコメ政策のあり方を見直す必要があると強調した。
コメの価格を巡る問題は、単なる供給量の調整だけでなく、品質、流通、消費者心理といった多面的な要素が絡む。政府は長期的な視野で、農業政策の抜本的見直しと安定供給体制の構築を進める必要がある。