2026-03-31 コメント投稿する ▼
海自P1哨戒機グアム自損事故 修理費総額20億円・車輪止めミスの全容
2026年3月31日、防衛省は2025年11月にグアムの米空軍アンダーセン基地で起きた海上自衛隊P1哨戒機の損傷事故について、調査結果を公表しました。車輪止めの不適切な使用が原因と判明するとともに、修理前の損傷調査だけで約3億円、修理全体の費用が概算で約20億円にのぼる見通しであることも、関係者への取材で明らかになっています。
事故はどう起きたか 車輪止めの「勘違い」が引き金に
事故が発生したのは2025年11月15日のことです。日本・米国・インド・オーストラリアによる共同訓練に参加するためグアムのアンダーセン基地に到着したP1が、翌16日午前7時半ごろ、駐機場所から約45メートル後方の防風壁と接触し、胴体後部の底が損傷しているのを整備員が発見しました。隊員にけがはありませんでした。
2026年3月31日に公表された調査結果によると、P1を駐機していた場所は機体の後方に向かって傾斜があったにもかかわらず、駐機担当の隊員が前方にも傾いていると勘違いしてしまいました。機体が前に動かないよう車輪止めを規定と異なる位置に設置したため、雨風の影響などで機体が前後し、車輪止めが外れた可能性があるとされています。さらに規格に合わない部隊作成の車輪止めを使用していたことも問題とされました。
「国費で作った高価な機体を、たかが車輪止めのミスで壊すとは、自衛隊員の意識はどうなっているのか」
「修理に20億円って、一体何機分の予算が消えるの?そのツケは最終的に税金だよね」
「P1はもともと稼働率が低くて問題視されていた機体。今回の事故でさらに穴が開いた形、安全保障がますます心配だ」
「海外基地での運用なんだから、現地の地形や環境を事前確認する手順はなかったのか。マニュアルに問題はないの?」
「国産の哨戒機をこだわって作っても、まともに飛ばせてすらいないのでは本末転倒だと思う」
修理費用は総額約20億円の見通し 機体は今もグアムに
関係者によれば、修理前の損傷調査だけで約3億円の費用がかかります。その上で修理全体の費用は概算で約20億円にのぼる見通しです。機体は現在もグアムに留め置かれており、今後現地で修理が行われる予定です。
P1哨戒機は川崎重工業などが手がけた初の純国産固定翼哨戒機で、2013年から配備が始まりました。1991年度から2023年度までの開発・運用に関する契約額はすでに約1兆7,766億円に達しており、2025年6月には会計検査院が稼働率は3割台と低迷していると指摘しています。
こうした状況を踏まえ、防衛省内からは「運用上、必要な体制は確保されているものの、ただでさえ運用可能なP1の割合が少ない状況で1機減となると、さらに厳しい状況になるのは明らかだ」といった懸念が上がっています。
稼働率3割台の「問題機」 安全保障上の懸念が現実に
P1哨戒機を巡っては、エンジンの不具合や部品不足のため使用可能な「可動機」が限られ、運用が低調となっていることが会計検査院の調査で判明しています。エンジンが海水の塩分を含んだ空気を取り込んで腐食し、性能が低下するという問題が指摘されており、開発段階でも類似の不具合が発生していました。現在35機が鹿屋・厚木・下総の各航空基地に配備されていますが、任務に使えない機体が多く、現場では旧型のP3C哨戒機を重宝する例も見られるとされています。
今回の自損事故は、こうしたP1の構造的な問題をさらに深刻化させるものです。防衛予算の大幅増額が続く中、国民の税金が注ぎ込まれた装備品が人為的なミスで損傷し、さらに莫大な修理費用がかかる事態は、防衛省・海自の管理体制への批判を招くことは避けられません。税金の無駄遣いとの批判をかわすためにも、再発防止策の具体的な公表と説明責任の徹底が求められます。
P1哨戒機は周辺海域での警戒・監視活動や潜水艦探知など、日本の海上防衛において欠かせない役割を担っています。今回の事故を教訓に、整備手順の徹底と安全管理の抜本的な見直しが急務です。防衛省は今後、再発防止のための措置を講じるとしており、その内容が注目されます。
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まとめ
- 2025年11月15日、グアムの米空軍アンダーセン基地で海自P1哨戒機が約45メートル後方に移動し、防風壁と接触して胴体後部の底が損傷
- 原因は「駐機場の傾斜を誤認した」車輪止めの規定外設置と、規格外の自作車輪止めの使用
- 修理前の調査費用だけで約3億円、修理全体では概算約20億円の見通し
- 機体は現在もグアムに留め置かれ、現地修理の予定
- P1は1991年度からの開発・運用契約額が計約1兆7,766億円の純国産機
- 2025年6月、会計検査院がエンジン腐食・部品不足・「共食い整備」による稼働率低調を指摘(稼働率3割台)
- 防衛省内から「1機減でさらに厳しい状況になる」との懸念が浮上