2026-03-17 コメント投稿する ▼
小泉進次郎防衛大臣、沖縄米海兵隊中東派遣で日本へのリスク否定
沖縄米海兵隊の中東派遣が米メディアで報道されたことを受けて、2026年3月17日に行われた小泉進次郎防衛大臣の記者会見では、イラン情勢をめぐる質問が相次ぎました。記者からは、在日米軍基地が報復攻撃の標的になるリスクや日米安保条約との関係について厳しい追及が行われましたが、小泉大臣は「リスクを伴うものとは考えていない」と述べ、懸念を否定しました。
沖縄海兵隊の中東派遣決定を米国が報道
米メディアは2026年3月13日、米国防総省が沖縄県に駐留する海兵隊の即応部隊である第31海兵遠征部隊を中東に派遣することを決定したと報じました。長崎県佐世保基地に配備されている強襲揚陸艦「トリポリ」に約2500人の海兵隊員が乗り込み、イラン情勢への対応のため中東地域に向かうとされています。第31海兵遠征部隊は地上部隊、航空部隊、兵站部隊を備えた即応部隊で、過去にはイラク戦争の激戦地にも派遣された経験があります。
この報道を受けて、2026年3月17日の記者会見では、小泉大臣に対して厳しい質問が投げかけられました。ある記者は「中東地域ではイラン周辺各国の米軍基地が攻撃を受けている。沖縄を含む日本が報復拠点として同様に標的になるのではないか」と質問し、防衛省の見解を求めました。
「沖縄が狙われるんじゃないか」
「また沖縄が犠牲になるのか」
「日本が戦争に巻き込まれる」
「米軍基地があるせいで危険だ」
「防衛大臣はちゃんと答えてくれ」
日米安保条約の解釈めぐり議論
記者からは日米安保条約との関係についても質問がありました。日米安保条約は日本の防衛や極東における脅威への対応を目的としており、それ以外の地域での基地使用は条約の対象外ではないかという指摘です。記者は「日米安保条約は自国防衛や極東における脅威が発生した際への対応であり、それ以外の基地使用となる今回の中東派遣は日米安保の対象外ではないか。条約違反に該当するかどうかも含めて教えてください」と追及しました。
これに対して小泉大臣は「日米安保条約の解釈に係る詳細については外務省にお尋ねいただきたい」と述べ、防衛省として明確な回答を避けました。日米安保条約第6条では、米軍が「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」に日本国内の施設及び区域を使用できると定められています。政府統一見解では極東の範囲を「フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域」としており、中東地域は含まれていません。
事前協議の有無は明言せず
小泉大臣は米軍の運用に関する質問について「米軍の運用に関することでありますので、お答えする立場にはない」と繰り返し、事前に情報提供があったかどうかについても「相手国との関係もあることからお答えできない」としました。
一方で、大臣は「何よりも重要なことは事態の早期沈静化を図ること」と強調し、「我が国としてもそのために必要なあらゆる外交努力を行っている」と述べました。そして「こうした我が国の立場は明確であり、リスクを伴うものとは考えておりません」と断言しました。
艦船派遣要請への対応
別の記者からは、トランプ大統領がイラン情勢をめぐり7カ国に護衛の艦船を派遣するよう要求していることについても質問がありました。日本が含まれているのか、また米ヘグセス国防長官との電話会談で艦船派遣に関するやり取りがあったのかという質問です。
小泉大臣は「トランプ大統領による発言・発信は承知している」としながらも、「アメリカ側から我が国に対して具体的な派遣要請があるわけではない」と説明しました。ただし「相手国との関係もあることから、アメリカとのやり取りの逐一についてお答えすることは差し控える」とし、詳細は明らかにしませんでした。
米国防総省の関係者は米メディアに対して、派遣される部隊は大使館の警備や民間人の避難なども担当する部隊であり、今回の配備が必ずしも地上戦実施を意味するものではないと話しているとされています。しかし、2026年2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃して以降、イラン新指導者は徹底抗戦を誓っており、中東情勢は予断を許さない状況が続いています。
在日米軍基地からの部隊派遣は、沖縄や長崎の地元住民に不安を広げています。沖縄では過去にも米軍基地の存在によって事件や事故に巻き込まれてきた経緯があり、今回の中東派遣によって報復攻撃の標的になるのではないかという懸念の声が上がっています。
小泉大臣は会見で「引き続き、アメリカを含む関係国ともよく意思疎通をしながら対応していきたい」と述べるにとどまり、具体的なリスク評価や対策については言及を避けました。日米安保条約の解釈や在日米軍基地の使用をめぐっては、今後も議論が続くことになりそうです。