2025-12-13 コメント投稿する ▼
中国軍機レーダー照射 戦闘機空対空で史上初 高市早苗首相極めて残念と強く抗議
中国軍機が自衛隊機に火器管制レーダー照射 空対空では史上初、異常な嫌がらせ行為か。 今回のような戦闘機同士の空対空でのレーダー照射は、過去の艦艇間や艦艇対航空機の事案と比べて、より深刻な軍事的挑発行為として受け止められています。 防衛省によると、レーダー照射は2回にわたって発生しました。
政府強く抗議
中国軍機が自衛隊機に火器管制レーダー照射 空対空では史上初、異常な嫌がらせ行為か
2025年12月6日午後、沖縄本島南東の公海上空で中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ15戦闘機が、航空自衛隊のF15戦闘機に対して断続的にレーダー照射を行った事件が発生しました。防衛省は翌7日に緊急記者会見を開き、「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為」として中国側に強く抗議したことを明らかにしました。
中国軍機から自衛隊機へのレーダー照射が公表されるのは史上初のことです。今回のような戦闘機同士の空対空でのレーダー照射は、過去の艦艇間や艦艇対航空機の事案と比べて、より深刻な軍事的挑発行為として受け止められています。
火器管制用モードの可能性極めて高い
防衛省によると、レーダー照射は2回にわたって発生しました。1回目は午後4時32分ごろから約3分間、2回目は午後6時37分ごろから約30分間にわたり断続的に行われました。
戦闘機に搭載されるレーダーには、広範囲を探る「捜索用」と攻撃時の狙いを定める「火器管制用」の2つのモードがあります。防衛省は今回のレーダーの使用目的を明らかにしていませんが、元空将の織田邦男氏は「火器管制用モードに違いない」と指摘しています。
特に2回目の30分間にわたる照射について、織田氏は「明らかに長い」とし、自衛隊機を追尾していたことに変わりはなく、「異常な嫌がらせ行為だ」と厳しく批判しました。火器管制レーダーによる照射は、ミサイル発射の準備段階であり、国際的には「銃口を向ける」のと同じ意味を持つ極めて危険な行為とされています。
「こんなにやられっぱなしで大丈夫なのか」
「レーダー照射は宣戦布告と同じ。これを許していては日本は舐められる」
「自衛隊機も同じことをやり返すべきではないか」
「戦闘機同士の照射とか洒落にならない危険さ」
「30分間も続けるなんて完全に意図的な挑発行為だ」
高市首相「極めて残念」
高市早苗首相は事件発生後、「危険な行為で極めて残念」と中国側を批判し、「冷静かつ毅然と対応していく」との考えを示しました。政府は外交ルートと防衛当局間チャンネルの双方を通じて中国側に強く抗議し、再発防止を申し入れました。
一方、中国海軍の報道官は7日、日本側の発表について「事実と異なる」と反発する談話を発表しました。空自機が「訓練海空域で妨害を行い、飛行の安全に重大な危害を及ぼした」と逆に日本側を非難し、「必要な措置を取り、安全と合法的な権利を断固として守る」と強調しています。
台湾有事発言との関連も
今回の事案の背景には、高市首相が2025年11月に国会答弁で台湾有事を「存立危機事態」に該当しうると明言したことがあると専門家は指摘しています。この発言を受けて中国政府は反発を強め、日本への渡航自粛や海産物輸入停止などの対抗措置を打ち出していました。
レーダー照射事件は、すでに悪化している日中関係をさらに深刻化させる可能性があります。中国側の今回の行動は、高市首相の発言に対する意図的な報復措置として位置づけられ、日中間の軍事的緊張が一段と高まっています。
過去の事例と比較
これまでにも中国によるレーダー照射事件は発生していました。2013年1月には中国海軍フリゲート艦が海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」に火器管制レーダーを照射する事件がありました。また、2018年には韓国海軍駆逐艦が海自P1哨戒機にレーダー照射したとされる事案も発生しています。
しかし、今回は戦闘機から戦闘機への空対空でのレーダー照射という点で過去に例がなく、エスカレーションのリスクがより高いと軍事専門家は警告しています。戦闘機同士の対峙は距離も近く、ミサイル発射から命中までの時間も短いため、偶発的な軍事衝突につながる危険性が指摘されています。