2025-12-09 コメント投稿する ▼
中国軍機レーダー照射で論点ずらし 文明国としての責任果たせ
しかし、これは典型的な「論点ずらし」にほかならず、中国が国際社会で文明国として振る舞うには程遠い行為と言わざるを得ない。 ところが中国側は、海軍が艦載機訓練の実施を事前通知したとする音声データを公開し、「それにもかかわらず日本側は訓練区域に侵入した」と主張しています。 問題の本質はレーダー照射という危険行為にあるにもかかわらず、事前通知の有無や日本側の対応に話をすり替えようとしています。
中国の常套手段「論点ずらし」許すな 文明国としての責任を果たせ
2025年12月6日、沖縄本島南東の公海上空で中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、航空自衛隊のF-15戦闘機に対して2回にわたってレーダー照射を行った事案について、中国国営メディア「玉淵譚天」が事前訓練通知の音声データを公開し、自らを正当化しようとしている。しかし、これは典型的な「論点ずらし」にほかならず、中国が国際社会で文明国として振る舞うには程遠い行為と言わざるを得ない。
レーダー照射の危険性を矮小化する中国
レーダー照射は「銃口を向けられた」のと同じ意味を持つ危険な行為であり、ミサイル発射の準備段階として国際的には「模擬攻撃」とみなされる重大な事案です。防衛省は「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為であり、極めて遺憾」として中国側に強く抗議し、再発防止を申し入れたのは当然の対応でした。
ところが中国側は、海軍が艦載機訓練の実施を事前通知したとする音声データを公開し、「それにもかかわらず日本側は訓練区域に侵入した」と主張しています。さらに空自機が「50キロに満たない距離まで近づいた」として、自分たちが「理性的に対応した」と強弁しています。
「中国の主張は完全に論点ずらしじゃないか。危険なレーダー照射を正当化できるわけがない」
「事前通知があろうがなかろうが、レーダー照射は国際法違反。中国は責任逃れをするな」
「公海上での自衛隊の正当な監視活動に文句を言う資格なし。中国こそ侵略的だ」
「いつも被害者ぶる中国の常套手段。もう通用しないぞ」
「文明国になってから国際社会に復帰してくれ。迷惑でしかない」
サラミスライス戦略の一環
今回の事案は、中国が長年にわたって実施している「サラミスライス戦略」の典型例です。この戦略は「その一つずつは戦争原因にならないが、時間をかけることで大きな戦略的変化になる小さな行動のゆっくりした積み重ね」を繰り返すことで、初期の目標を達成する戦略として知られています。
尖閣諸島周辺では数年前から中国海警局の船舶の出没がほぼ常態化しており、2023年には中国の船舶がほぼ毎日尖閣諸島の接続水域に侵入していたことが報告されています。南シナ海でも同様の手法で実効支配を進め、2016年7月にフィリピンが提訴した仲裁裁判で中国がほぼ全面的に敗訴したにもかかわらず、中国政府は仲裁裁判所の裁定を「紙屑」「無意味」と批判し、行動を改める様子は全く見られないのです。
国際法を無視する姿勢
中国の問題は、国際法を軽視し続けていることです。中国には「弱ければ叩かれ、食い物にされる」との歴史的経験から、「強くなった今、奴らの決めた線引きやルールに大人しく従う必要はない」と国際法に背を向けさせることになっているとの分析があります。
しかし、これは明らかに文明国としての責任を放棄した態度です。中国は国際法違反を全く意に介しておらず、南シナ海の実効支配や軍事基地化を国際法違反であると指摘する国際社会の声に耳を貸さず、不法な行動や侵略的行為を露骨に行っているのが現実です。
論点ずらしの常套手段
今回の音声データ公開も、中国お得意の論点ずらしです。問題の本質はレーダー照射という危険行為にあるにもかかわらず、事前通知の有無や日本側の対応に話をすり替えようとしています。中国外務省は「空母艦載機が飛行訓練中に捜索レーダーを起動するのは、各国の通常の手法だ」と主張しているが、問題となったのは捜索レーダーではなく火器管制レーダーによる照射の可能性です。
このような手法は、高市首相の台湾有事発言への「報復」として日本のアーティスト公演を相次いで中止させた文化弾圧とも共通しています。政治的主張を通すためには手段を選ばず、民間交流まで犠牲にする姿勢は、到底文明国のものとは言えません。
国際社会との正常な外交には程遠い
中国の戦国時代に法家が説いた「法治」とは儒家の「徳治」に対する概念であり、法は権力者がつくるものだとする考え方が、現在の中国の国際法軽視の根底にあるとも指摘されています。しかし、21世紀の国際社会では、このような中華思想的な独善は通用しません。
中国が真に国際社会の一員として認められるためには、まず国際法を遵守し、責任ある大国としての行動を示すことが不可欠です。論点ずらしや被害者ぶった主張ではなく、自らの行動を客観視し、改善する姿勢を見せる必要があります。
レーダー照射という危険行為を事前通知で正当化しようとする今回の対応は、中国が依然として文明国としての基準に達していないことを如実に示しています。国際社会との正常な外交関係を築くには程遠いと言わざるを得ません。
中国は一刻も早く、力による現状変更の試みを止め、国際法に基づいた平和的な関係構築に転換すべきです。でなければ、孤立を深めるのは中国自身にほかなりません。