2025-12-09 コメント: 1件 ▼
小泉防衛大臣「事前通報認識なし」中国軍機レーダー照射問題で航空情報巡り正面反論
小泉進次郎防衛大臣氏は2025年12月9日、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題について、中国側が主張する事前通報に関して明確に反論しました。 この反論は、中国軍が「事前に訓練海域・空域を公表していた」とする主張に対する政府としての公式見解を示すものです。
中国側主張への正面反論
小泉進次郎防衛大臣氏は2025年12月9日、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題について、中国側が主張する事前通報に関して明確に反論しました。中国側は訓練海域と空域を事前に公表していたと主張していますが、小泉氏は「遼寧の艦載機等の訓練海空域に関するノータムや航行警報が事前に通報されていたとは認識しておりません」と明確に否定しました。
この反論は、中国軍が「事前に訓練海域・空域を公表していた」とする主張に対する政府としての公式見解を示すものです。中国側は「事前に訓練海域・空域を公表していた」と主張し、スクランブル発進した自衛隊機が、中国側の正常な訓練に深刻な影響を与えたと訴えています。しかし、航空情報(NOTAM)や航行警報による正式な通報がなかったとする日本政府の立場が明確になりました。
レーダー照射事件の重要性が浮き彫りになったのは、これが初の空対空レーダー照射事案だからです。過去には2013年の中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への照射や、2018年の韓国海軍艦艇による海自哨戒機への照射がありましたが、戦闘機同士でのレーダー照射公表は今回が初めてでした。
「中国の挑発行為がエスカレートしてる」
「事前通報なしでレーダー照射とか危険すぎる」
「これで正常な訓練って言われても納得できない」
「小泉大臣の反論は当然だと思う」
「本当に事前通報がないなら中国側の言い分はおかしい」
背景にある緊張状態
今回の事案は、2025年12月6日に沖縄本島南東の公海上空で発生しました。中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、当該機体に対する対領空侵犯措置を実施していた航空自衛隊のF-15戦闘機に対して、レーダー照射を断続的に行う事案が2回発生しました。
小泉防衛大臣氏は事件直後の12月7日未明に緊急記者会見を開き、「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為」として中国側に強く抗議したと発表していました。しかし中国側は逆に、「日本の自衛隊機が繰り返し中国海軍の訓練海空域に接近し、正常な訓練秩序を深刻に妨害し、飛行の安全を脅かした」と主張し、事前通報を理由に自国の正当性を訴えていました。
火器管制レーダーの危険性
レーダー照射が問題となるのは、使用されたのが単なる捜索用レーダーではなく、ミサイル発射に直結する火器管制レーダーだからです。この種のレーダーは攻撃目標を精密に追跡するためのもので、国際的には「模擬攻撃」と同等の意味を持つ危険な行為とされています。
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は12月8日の記者会見で、「艦載機が飛行訓練時に捜索レーダーを使うのは各国で通常行われており、飛行の安全確保のための正常な行為だ」と主張していますが、日本側が問題視しているのは捜索用ではない火器管制レーダーの使用です。
政治的な意味合いの拡大
この事案は単なる軍事的緊張にとどまらず、より広い政治的文脈で捉える必要があります。高市早苗首相の台湾有事に関する「存立危機事態」発言や、与那国島へのミサイル配備計画などを背景に、日中関係は一段と緊張が高まっています。
中国軍のこのような行動は、意図的な威嚇活動の一環とも解釈されています。中国による日本への威圧的な行動が戦闘機の危険な運用にまで拡大したことで、日本政府も従来以上に強硬な姿勢を示さざるを得ない状況となっています。
小泉防衛大臣氏の今回の反論は、中国側の主張の根拠となる「事前通報」の存在を否定することで、中国軍の行動の正当性を真っ向から否定するものです。航空情報(NOTAM)や航行警報は国際的に確立された通報制度であり、これらの正式な通報がなかったとする日本側の主張は、中国側の「正常な訓練」という説明に重大な疑問を投げかけています。
今後の安全保障環境への影響が懸念される中、政府は毅然とした対応を続ける方針を示しています。レーダー照射事案の公表から事前通報問題への反論まで、一連の対応は日本の防衛政策における新たな局面を示すものとなっています。