2025-11-18 コメント: 2件 ▼
小泉進次郎、防衛費を「稼ぐ力」に変える戦略 増税論を退ける構想
小泉防衛相は、防衛費を単なる支出としてではなく、成長投資として活用する方針を鮮明にしています。 さらに、防衛装備品の輸出を進める方針も示しています。 小泉氏は潜水艦の動力について、従来のディーゼルだけでなく原子力も選択肢に含める可能性を示しました。 防衛力の強化だけでなく、国際的な技術力アピールにもつながる可能性があります。
小泉進次郎、防衛費増額を「利益」に転換 増税論に正面から反論
自由民主党(自民党)の小泉進次郎防衛相は、近年、防衛費の大幅な増額について国会やメディアで積極的に発信しています。「防衛=コスト」という従来の見方を変え、防衛装備の輸出や軍民両用技術の活用で経済との好循環を目指す姿勢が際立っています。一方で、立憲民主党などからは、財源確保のための増税に対する懸念が根強く、激しい議論が続いています。
防衛費を成長戦略に
小泉防衛相は、防衛費を単なる支出としてではなく、成長投資として活用する方針を鮮明にしています。参議院予算委員会では、「GDP比2%」への引き上げを前倒しする狙いについて、「ドローンやAIを駆使した新しい戦い方に対応するには、待ったなしだ」と説明しました。
さらに、防衛装備品の輸出を進める方針も示しています。「ただ買うだけでは自国の産業は育たない。自前の技術を活かして稼ぐことも必要だ」と語り、防衛支出を国民負担だけで賄うのではなく、収益化で補っていく現実的な戦略を打ち出しました。輸出先としてオーストラリアが護衛艦を導入する例を挙げるほか、潜水艦についても関心を示す国があると説明しています。
軍民両用技術で国民生活に還元
小泉氏は、防衛技術の研究を軍事だけでなく民生にも応用する「デュアルユース(軍民両用)技術」で加速させる意向です。防衛省で研究開放を進めることで、技術を多方面に活用し、国民生活にも利益を還元できると考えています。「国民生活の様々な面で技術が役立つ説明責任を果たすことが大事だ」と述べ、産業振興や地域活性化にもつなげる構想を示しました。
増税には正面から反論
防衛費の大幅増額には多額の財源が必要で、増税の可能性が議論されてきました。法人税やたばこ税、所得税の上乗せといった案も報じられています。
しかし、小泉氏は増税に頼る考えを否定します。「防衛を単なるコストとして語るのは間違いだ。防衛力強化を国民負担だけで押し付けるべきではない」と明言。代わりに、稼ぐ力で自力で賄う戦略を掲げています。
同時に、軍備に過度な財源を割けば、他の社会投資が減るリスクにも触れ、単なる軍拡論とは一線を画しています。増税に頼らず、防衛費を賄う方策を示す姿勢は国民にとって安心材料となるでしょう。
国際連携と日米関係
小泉氏は日米同盟の強化にも力を入れています。2025年10月には米国防長官と会談し、防衛費GDP比2%への引き上げを2025年度中に実施する意向を伝えました。
アジア地域との協力も重視し、インドネシアとは「2+2」(外務・防衛)閣僚会合を活性化させ、両国で防衛装備や技術協力を深めています。国内だけでなく国際舞台での防衛力と経済力の両立を追求する姿勢が浮き彫りになっています。
原子力潜水艦も選択肢
小泉氏は潜水艦の動力について、従来のディーゼルだけでなく原子力も選択肢に含める可能性を示しました。原子力潜水艦は技術的・政治的にハードルが高いものの、真剣に議論する姿勢は彼の決意を象徴しています。防衛力の強化だけでなく、国際的な技術力アピールにもつながる可能性があります。
課題とリスク
小泉氏の戦略は大きな可能性を秘めますが、リスクもあります。装備品輸出は国際情勢に左右されやすく、デュアルユース技術も管理を誤れば批判を招きかねません。さらに、増税を避け「稼ぐ防衛」を掲げても、収益が安定しなければ最終的には国民負担に跳ね返る恐れがあります。
小泉進次郎防衛相は、防衛費増額を「国民負担」だけで語らせず、防衛を通じた成長戦略に大胆に転換しようとしています。装備輸出や軍民両用技術を活用し、防衛力と経済力を両立させる構想は、従来の安全保障論を超えるチャレンジです。
ただし、実現には課題も多く、輸出実績や技術管理、増税回避の成否が鍵となります。国民は、彼の戦略が「防衛のための投資」であり、「国民生活の利益にもつながる投資」であるかを見極める必要があります。