2025-11-11 コメント投稿する ▼
中国空母「福建」就役で3隻体制確立、電磁カタパルト技術で艦載機運用能力向上
小泉進次郎防衛大臣は2025年11月11日の閣議後会見で、中国の3隻目の空母「福建」の就役について「中国は遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図している」と分析し、警戒感を示した。 この新空母は従来の2隻より大型で、固定翼早期警戒機の運用が可能な電磁カタパルトを装備している。 「福建」の最大の特徴は、従来の2隻とは異なる電磁カタパルト方式を採用していることだ。
中国空母3隻体制で常時展開が可能に
小泉防衛大臣は、空母が3隻体制になることの軍事的意義について詳しく説明した。「一般論として、空母が3隻体制になるということは、整備・訓練・任務のローテーション運用が可能となり、常に1隻が任務のために展開可能な体制が今後構築され得る」と述べた。
これまで中国は「遼寧」と「山東」の2隻体制だったが、整備や訓練の期間を考慮すると、実際の任務で常時展開できる空母は限られていた。しかし3隻体制により、1隻が整備中、1隻が訓練中でも、残り1隻が作戦任務に就くことが可能になる。これにより中国海軍の遠洋展開能力は格段に向上することになる。
「ついに3隻目が就役したか。これで中国は常に空母を海に展開できる」
「福建の電磁カタパルトはアメリカ以外では初めて。技術力の向上が恐ろしい」
「台湾有事に備えて着々と戦力を整えているのが分かる」
「日本も防衛力強化を急がないと手遅れになる」
「3隻体制なら第一列島線の封鎖も現実的になってしまう」
電磁カタパルトで艦載機運用能力が大幅向上
「福建」の最大の特徴は、従来の2隻とは異なる電磁カタパルト方式を採用していることだ。「遼寧」と「山東」はスキージャンプ甲板を使用するSTOBAR方式だったが、「福建」はCATOBAR方式を採用している。
電磁カタパルトは、従来の蒸気カタパルトと比べて艦載機をより短時間で加速させることができ、重量のある固定翼早期警戒機の運用も可能になる。小泉防衛大臣が言及した「艦載機運用能力の向上」は、まさにこの技術革新によるものだ。
「福建」は2025年9月に電磁カタパルトによる艦載機の発艦試験に成功しており、J-35ステルス戦闘機やKJ-600早期警戒機の運用が確認されている。この技術は従来アメリカのみが実用化していたものであり、中国の海軍技術の急速な進歩を示している。
満載排水量は8万トンを超え、飛行甲板は全長316メートル、全幅76メートルと、従来の2隻を大きく上回る規模となっている。
太平洋での活動範囲拡大に日本が懸念
小泉防衛大臣は会見で、中国空母の活動範囲拡大についても言及した。「本年6月には空母1隻が硫黄島より東側の海域で活動したこと、太平洋上で空母2隻が同時期に活動していることを防衛省自衛隊として初めて確認・公表した」と述べた。
これは中国空母「遼寧」が2025年6月に硫黄島東方海域で活動し、第二列島線を越えた初のケースとなったことを指している。同時期に「山東」も太平洋で活動しており、中国空母2隻が太平洋で同時展開したのも初めてだった。
第二列島線は日本からグアム、インドネシアに至る防衛線であり、中国がこの線を越えて活動することは、アジア太平洋地域の軍事バランスに大きな変化をもたらすものだ。専門家は、台湾有事の際に米軍の介入を阻止する狙いがあると分析している。
防衛省の分析によると、中国は国防費を継続的に高い水準で増加させており、十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に増強させている。特に海軍力の強化は顕著で、空母建造はその象徴的な取り組みとなっている。
小泉防衛大臣は「防衛省自衛隊としては、引き続き3隻目の空母『福建』を含む中国軍の動向を注視しながら、冷静かつ毅然と対応していくとともに、我が国周辺海空域における警戒監視活動等に万全を期す」と述べ、日本の対応方針を明確にした。
中国の空母3隻体制による常時展開能力の獲得は、東シナ海や南シナ海での中国の影響力拡大につながる可能性が高い。日本にとって、防衛力の強化と日米同盟の深化がより重要な課題となっている。