2025-11-04 コメント投稿する ▼
韓国空軍機への史上初給油支援が竹島飛行で中止 高市首相の防衛協力推進に冷や水
小泉進次郎防衛相が記者会見で発表したもので、支援対象の韓国空軍曲技飛行隊「ブラックイーグルス」が竹島周辺を飛行していたことが判明し、「世論の理解を得るのが難しい」との判断に至りました。 高市早苗首相が推進していた日韓防衛協力の象徴的な取り組みが、領土問題によって頓挫した形となっています。
史上初の給油支援が白紙に
計画では、韓国空軍の曲技飛行隊「ブラックイーグルス」が11月中旬からアラブ首長国連邦で開催される国際航空ショーに参加するため、沖縄県の航空自衛隊那覇基地で給油を受ける予定でした。日韓両国は物品役務相互提供協定(ACSA)を締結していないため、防衛省は自衛隊法の無償貸し付け規定を根拠に燃料提供の準備を進めていました。
小泉進次郎防衛相は11月4日の記者会見で「日韓の防衛当局間の調整が整わなかった」と説明し、給油支援の中止を正式に発表しました。韓国軍機が日本の自衛隊基地で給油を受けるのは今回が初めてとなる予定でしたが、実現には至りませんでした。
「竹島周辺を飛んでおいて給油してくれって図々しすぎる」
「高市さんが正しい判断をした。領土問題では絶対に譲れない」
「韓国は毎回こういうことするから信用できない」
「防衛協力は大事だけど、竹島は別問題でしょ」
「これで少しは韓国も反省するかもしれない」
中止の背景には、10月下旬にブラックイーグルス編隊の一部が竹島周辺で飛行していた事実があります。日本政府は10月28日、韓国政府に対して抗議の書簡を送付していました。韓国側は「航空ショーに向けた飛行訓練だった」と釈明しましたが、日本側は受け入れませんでした。
高市首相の強いこだわりも断念
読売新聞によると、給油支援の中止方針は10月30日の高市首相と李在明大統領の初会談直前に固まっていました。しかし、高市首相は会談後も「李氏と一致した未来志向の日韓関係に向けて給油の実現に強くこだわった」とされています。
それでも政府内では「今回は世論の理解を得るのが難しい」との声が根強く、最終的に断念せざるを得ませんでした。防衛協力を重視する高市政権としては、領土問題への国民感情を無視できなかったのが実情です。
この給油支援は、将来的なACSA締結を含む日韓防衛協力強化の起点となる可能性がありました。植民地支配の経緯から韓国世論に根強い自衛隊への拒否感を薄める機会とも捉えられていただけに、政府関係者からは「非常に残念だ」との声も上がっています。
日韓防衛協力の今後に影響
日韓の防衛当局間では、2018年の韓国海軍による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題の再発防止策に合意した2024年6月以降、関係改善が進んでいました。日韓の防衛相が相互に訪問するなど、防衛協力や交流の活性化で一致していた矢先の出来事でした。
11月1日にマレーシアで行われた日韓防衛相会談では、小泉進次郎防衛相が韓国の安圭伯国防相と初会談し、防衛当局間の定例協議や人的交流の活性化推進で一致したばかりでした。緊密な連携が進展していただけに、今回の給油支援中止が水を差した形となっています。
中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発が続く中、日韓の防衛協力は安全保障上の重要性を増しています。しかし、領土問題をめぐる対立が防衛協力の進展を阻む構図が改めて浮き彫りになりました。今後の日韓関係では、実務レベルでの協力と政治的懸案の管理をいかに両立させるかが課題となります。