2025-10-14 コメント投稿する ▼
小泉進次郎農水相が昨年の米価予測誤り認める、今年は慎重姿勢で明言避ける
今年の収穫量は需要を大きく上回る見通しですが、大臣は「慎重な対応が必要」と述べ、安易な価格予測を避ける姿勢を示しています。 会見で小泉大臣は、2025年産の主食用米の予想収穫量が715万3000トンとなり、前年比で63万4000トンの大幅増加になったと発表しました。
小泉進次郎農林水産大臣が2025年10月10日の臨時記者会見で、昨年農林水産省が「新米が出れば米価は下がる」と説明したものの実際には下がらなかったことを認めました。今年の収穫量は需要を大きく上回る見通しですが、大臣は「慎重な対応が必要」と述べ、安易な価格予測を避ける姿勢を示しています。
7年ぶりの豊作も価格への影響は不透明
会見で小泉大臣は、2025年産の主食用米の予想収穫量が715万3000トンとなり、前年比で63万4000トンの大幅増加になったと発表しました。この水準は2017年産以来最高の収穫量で、昨年の増加分18万トンをはるかに上回る規模です。作付面積も2020年産以来最大の136万7000ヘクタールとなり、前年実績と比べて10万8000ヘクタール増加しました。
大臣は「収穫量も民間の在庫量も昨年とは全く異なり、今回の調査結果を見れば、コメが足りなくなる状況にはないということを十分ご理解いただけるのではないか」と述べ、米価の安定に向けた新たな段階に入ったとの認識を示しました。
2026年6月末の民間在庫量は約230万トンと予測され、直近10年程度で最も高い在庫水準に匹敵する見通しです。作付面積の増加幅は全国第1位の新潟県に相当する規模で、供給量の大幅な拡大が確実視されています。
記者の質問に「今度こそ下がるか」
記者から「去年は新米が出たら価格は落ち着くと農水省は説明していましたが、2024年産が出回っても価格は下がりませんでした。今年の予想収穫量は需要を大きく上回る数量となっていますが、この大幅な増産が今後どのように価格に影響を与えるとお考えか」と質問されました。
これに対して小泉大臣は、前年との違いを強調しながらも明確な価格予測は避けました。その後、記者から「今度こそ米の値段が下がるのか」と改めて問われると、大臣は「昨年、新米が出てくれば下がるということを農林水産省として申し上げて、結果そうはならなかった。こういった経緯を考えれば、慎重な対応は必要」と答えました。
「また外れるんじゃないの」
「農水省の予測ってあてにならないよね」
「今年こそ米が安くなってほしい」
「JA全農が価格操作してるって話もあるし信用できない」
「政府は米価を下げる気があるのか疑問」
専門家は「JA農協が価格維持する」と指摘
米価が下がらない背景には構造的な問題があるとの指摘が相次いでいます。JA全農は2025年産米の概算金を玄米60キログラム当たり2万3000円前後で提示しており、諸経費を加えると卸売業者への販売価格は2万7000円となります。これは現在の史上最高値の米価水準です。
専門家は、備蓄米の放出で供給量が増えても、JA農協が通常の卸売業者への販売量を減らせば供給量は増えず、高値を維持できると分析しています。実際に2024年も新米が出回った後も米価は下がらず、消費者の期待は裏切られる形となりました。
小泉大臣は生産者に対して「米価の下落への懸念」に配慮する姿勢を示しており、需給環境が変化すれば備蓄米の買入れや買戻しを機動的に行う方針を表明しています。2027年度に向けたセーフティネットの具体化も進める考えで、「安心して米づくりを続けていただける環境を必ず実現する」と述べました。
「令和の米騒動」収束は見えず
2024年夏にスーパーからコメが消える事態となり、農水省は当初「卸売業者がため込んでいる」と主張しましたが、その後の調査で否定されました。また新米供給で価格が下がるとの見通しも外れ、むしろ価格が高騰する結果となりました。
小泉大臣は「不足感を払拭しなければ米価の安定には繋がらない」として、今回の大量供給が必要なプロセスだと説明しています。しかし消費者からは、政府の米価対策への信頼が揺らいでいるとの声も上がっています。
スーパーでの5キログラム当たりのコメ価格は4000円台の高値水準が続いており、家計への負担は重くなっています。大臣は「昨年とは違うステージに入っている」と強調しますが、実際に消費者が価格低下を実感できるかどうかは、今後の流通や市場の動向次第となっています。