2025-08-28 コメント投稿する ▼
小泉農相「高温耐性品種支援へ」 福島で生産者と意見交換、具体策検討へ
小泉農林水産大臣は29日、猛暑の影響で品質低下や収量減に直面するコメ生産現場を視察するため福島県を訪れた。 日本の稲作は近年、夏季の気温上昇に伴い登熟不良や品質劣化の被害が増えており、農家からは「耐性品種への切り替え支援」に加えて「栽培方法そのものを変えなければ収穫量を確保できない」との現場の声が相次いでいる。
小泉農相、福島でコメ生産者と意見交換 高温耐性品種の普及へ具体策検討
小泉農林水産大臣は29日、猛暑の影響で品質低下や収量減に直面するコメ生産現場を視察するため福島県を訪れた。福島市で生産者との意見交換に臨み、高温耐性品種の普及を後押しする姿勢を示すとともに、「単に予算をつけるだけでは不十分。営農指導などきめ細かい対応が必要」と述べ、支援策の具体化に意欲を見せた。
日本の稲作は近年、夏季の気温上昇に伴い登熟不良や品質劣化の被害が増えており、農家からは「耐性品種への切り替え支援」に加えて「栽培方法そのものを変えなければ収穫量を確保できない」との現場の声が相次いでいる。
「新しい品種を導入しても収量が安定しなければ意味がない」
「予算配分だけでなく農家への技術支援が急務」
「気候変動への備えとして国が本気で取り組むべきだ」
「消費者に高温耐性米の理解を広げる広報も必要だ」
「現場の声を直接聞く姿勢は評価できる」
高温耐性品種導入の課題
農水省はすでに高温に強い「にじのきらめき」や「にこまる」などの普及を進めているが、単純な品種転換だけでは収量安定につながらないという指摘が根強い。栽培方法の改良、収穫後の流通・販売戦略、消費者へのブランド浸透など多面的な施策が必要だ。
福島市での意見交換では、生産者から「技術指導が伴わなければリスクが大きい」「新しい挑戦に安心して踏み出せる環境を整えてほしい」といった要望も寄せられた。小泉大臣は「現場の声を受け止め、普及のための仕組みを検討する」と応じた。
郡山では省力化手法の現場も視察
夕方には郡山市を訪れ、農地に直接種もみをまく省力的な稲作手法を視察した。人手不足と気候変動の双方に対応できる可能性を持つ取り組みとして注目されており、小泉大臣は「新しい技術と高温耐性品種を組み合わせることで、持続可能な稲作モデルを示すことができる」と強調した。
気候変動と食料安全保障を見据えて
コメは日本の主食であり、農業と地域社会を支える基盤だ。気候変動の影響で品質や収量が不安定化すれば、国内農業だけでなく食料安全保障全体に直結する。今回の視察と発言は、農業政策が「単なる補助金」ではなく、技術支援と制度改革を伴った長期戦略へ移行すべき局面にあることを示している。
国民が望むのは給付金的な一時対応ではなく、減税を含めた持続可能な農業支援と安定的な食料供給体制だ。小泉農相の「具体策検討」発言が、現場の声を反映した政策として結実できるかどうかが今後の焦点となる。