古川元法相が再審制度の抜本見直しを提言　被害者支援も強化へ

再審制度見直しに本腰　古川元法相が「多角的な視点」強調

自民党の司法制度調査会（会長・古川禎久元法務大臣）は6月2日、再審制度のあり方について法務省に対し具体的な提言を行った。古川氏は面会の場で、冤罪の救済だけでなく、被害者や遺族の立場も踏まえた制度改正の必要性を力強く訴えた。再審制度とは、有罪判決が確定した後でも新たな証拠が発見された際などに、裁判をやり直せる仕組みであるが、その運用が硬直的だという指摘が続いている。

古川氏は「再審制度は加害者の救済だけでなく、被害者の心にも関わる。誰の目にも公平な制度にしていくため、多角的な視点が不可欠だ」と語り、裁判官や弁護士といった専門家に加え、犯罪被害者の声を広く政策形成に反映させるべきだと主張した。

「被害者手帳」構想も提示　全国で一貫支援を目指す

調査会の提言には、犯罪被害者支援の強化も盛り込まれた。特に注目されたのは「被害者手帳」の導入検討だ。この手帳は、被害直後からの行政・医療・法律支援の情報を一冊にまとめることで、支援の空白をなくし、全国どこにいても切れ目のない支援を受けられるようにする狙いがある。

古川氏は「被害者が一番困るのは、“どこに相談すればいいか分からない”こと。制度の谷間を埋めるためにも、支援の道しるべが必要だ」と指摘した。

法テラスや保護司制度にも言及　現場の疲弊に懸念

再審だけでなく、法制度の末端を支える人々への支援も提言の柱の一つとなった。法テラス（日本司法支援センター）は法的支援の窓口だが、近年は人手不足で業務がひっ迫。特に地方では弁護士の高齢化も進み、持続可能性が危ぶまれている。

また、保護司による更生支援が限界に来ていることにも調査会は警鐘を鳴らした。昨年、保護司が保護観察中の人物に殺害されるという衝撃的な事件もあり、古川氏は「ボランティアに頼るだけの構造は限界だ。国として安全と負担のバランスを見直す時期にきている」と述べている。

ネット上の声：古川氏らの提言への反応

「ようやく制度改革に本腰を入れてくれそう。古川さん、応援してます」
「被害者手帳、ぜひ導入してほしい。行政の縦割りに泣かされた経験がある」
「保護司の方々には本当に頭が下がる。もっと守られるべき存在」
「再審制度って被告のためだけじゃないって気づかされた」
「古川元法相の提言はいつも現実的で筋が通ってる。信頼できる」

再審制度改革、古川氏のリーダーシップに注目

古川元法務大臣を中心とした今回の提言は、制度の隙間で声を上げられずにいた被害者や支援者の現場に目を向けたものだ。司法の信頼回復には、形式論ではなく「人の視点」に立った改革が求められる。再審制度を単なる法技術の問題にとどめず、社会全体で共有できる制度へと再構築する議論が、今まさに始まろうとしている。