2025-08-27 コメント投稿する ▼
江藤拓氏「コメ買ったことない」発言の過去 農業新組織トップ就任に農家から反発拡大
江藤拓氏が農業新組織トップに就任 農家・支持層から強まる反発
自民党は8月27日、新設した「農業構造転換推進委員会」の委員長に江藤拓・前農林水産大臣(65)を起用した。だが、江藤氏は過去に「コメは買ったことがない」と発言し、米価高騰に苦しむ農家や消費者の怒りを買った経緯がある。この人事は、農政の象徴的課題を担う人物としてふさわしいのか疑問視され、識者からは「冗談かと思った」との声も上がっている。さらに自民党の岩盤支持層とされる農業関係者からも反発が広がり、党の足元を揺るがしかねない事態となっている。
「農家の苦労を知らない人が農政を仕切るなんてあり得ない」
「自民党は農家を軽んじているのか」
「米を買ったことがない発言を忘れていない」
「岩盤支持層を切り捨ててまで石破おろしをしたいのか」
「世襲議員の論理で国民を見ていない」
農政人事に込められた党内の思惑
江藤氏は就任挨拶で「農業団体や農水省と連携を取るのが役目」と語った。農業団体といえばJAを指すと見られ、改革路線を打ち出す石破茂首相や小泉進次郎農水相への牽制との見方もある。専門家は「農政改革より党内力学を優先した人事」と分析する。こうした人事は、農業現場の困窮に目を向ける国民感覚とは大きく乖離しており、農政に対する信頼低下を招く可能性が高い。
世襲議員が象徴する自民党の鈍感体質
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「江藤氏の委員長起用は、自民党が世論に鈍感になっている象徴だ」と指摘する。江藤氏自身も父の地盤を継いだ世襲議員であり、石破首相や小泉農水相と同じ立場にある。世襲議員は地盤と看板を相続し、選挙区を丁寧に回らずとも当選できるため、世論に無関心でも党要職に就く傾向がある。こうした構造が、国民生活と乖離した人事や政策決定を繰り返す要因とされている。
農家・岩盤支持層の離反は現実に
宮崎県を地盤とする江藤氏は、米価高騰時に農水相を務めていたが、地元紙でも「高止まりするコメ価格が家計を圧迫」と報じられていた。その中で「コメを買ったことがない」との発言は、農家や消費者を軽視したものとして記憶されている。さらに「支援者からもらったコメには黒い石が混じっていた」と述べたことも農家の怒りを招いた。かつて自民党の強固な岩盤支持層であった農業関係者が離反しつつある背景には、こうした不信感が積み重なっている。
比例代表選挙で自民党の得票率が21.6%と過去最低を記録したことも、岩盤支持層が3割を割り込んだ証左といえる。伊藤氏は「無党派層の支持離れも深刻だが、岩盤支持層の動揺はより致命的だ」と強調する。江藤氏の人事は、自民党が国民の声を無視し続けてきた結果としての危機を象徴している。
江藤拓氏起用が浮き彫りにする自民党の世論乖離と農政不信
農業団体と歩調を合わせるだけの農政では、農家や消費者の切実な声は届かない。石破政権下での農政改革を求める世論に背を向け、党内力学と世襲人事で重要ポストを固める姿勢は、自民党の「岩盤支持層離れ」を一層進めかねない。危機的状況を迎える自民党にとって、今回の人事は単なる農政課題にとどまらず、党の存立基盤そのものを揺るがす事態といえる。