2022-03-30 コメント投稿する ▼
原口一博氏、福島第一原発の安全冷却システム取り外しを告発
冷却システムの取り外しが事故を引き起こした可能性
原口氏によると、これまで原発の安全性について「どんなことがあっても安全だ」とする主張がなされてきたが、実際には冷却システムに重大な問題があったという。原口氏は、佐賀大学元学長の上原先生が指摘した冷却システムの重要性を踏まえ、東電に直接確認を求めたところ、冷却装置が「ない」と返答されたことに驚いたという。
その後、原子力安全委員会の議事録を調べた結果、平成15年、つまり2003年に自民党政権下で、福島第一原発の冷却システムの一部が取り外されていたことが分かった。冷却システムの一部である蒸発系冷却装置が取り外された理由として、当時の関係者は「ベントによって放射能を外に出すから、安全冷却システムは不要だ」と説明していた。しかし、原口氏はこの理屈に強い疑問を呈し、もし冷却システムが取り外されていなければ、事故の規模はここまで大きくならなかったのではないかと指摘した。
原発政策の転換を訴える
会見では、原口氏が将来的に首相に就任した場合の原発政策についても触れられた。原口氏は原発の即時停止を求めるものではないが、現在の核燃料サイクル政策に対して懐疑的な見方を示し、これを「欺瞞だ」と批判した。また、大規模集中型のエネルギー政策から分散型エネルギーへの転換を訴え、今後のエネルギー政策の根本的な見直しが必要だと強調した。
福島第一原発事故の再発防止と原子力政策の見直し
原口氏の発言は、福島第一原発事故の原因究明と再発防止策の徹底を求める声が高まる中で注目されている。特に、冷却システムの取り外しが事故の拡大を招いた可能性があることは、原発政策の安全性を見直す契機となるだろう。また、核燃料サイクル政策への疑問や、分散型エネルギーへの転換という提案は、これからの日本のエネルギー政策に重要な影響を与える可能性がある。