2025-12-21 コメント投稿する ▼
介護報酬2.03%・診療報酬3.09%引き上げ決定 異例の臨時改定で月1万円賃上げ実現へ
通常3年ごとに実施される介護報酬改定を1年前倒しして2026年度に臨時実施し、2.03%の引き上げとなる見通しを示しました。 診療報酬も本体部分を30年ぶりの3.09%引き上げとなり、医療・介護の現場で働く職員の処遇改善が本格化します。 第一段として2025年12月から介護職員に最大1万9000円、他職種に1万円を半年間支給します。
異例の「臨時改定」で月1万円賃上げ 介護報酬2.03%・診療報酬3.09%引き上げ決定
自民党の鈴木俊一幹事長が2025年12月21日、大阪市の党会合で介護報酬と診療報酬の大幅改定方針を明らかにしました。通常3年ごとに実施される介護報酬改定を1年前倒しして2026年度に臨時実施し、2.03%の引き上げとなる見通しを示しました。診療報酬も本体部分を30年ぶりの3.09%引き上げとなり、医療・介護の現場で働く職員の処遇改善が本格化します。
政府は12月26日に2026年度予算案を閣議決定する予定で、月内に方針が正式決定されます。これまでの報酬改定は「2年に1回」「3年に1回」のサイクルでしたが、深刻な物価高と人材不足を受け、史上初の「臨時改定」による緊急支援に踏み切ります。
他産業との賃金格差5.4万円が政治決断促す
今回の異例の決断の背景には、介護・医療従事者と一般産業との賃金格差拡大があります。介護職員の平均給与は約34万円で、全産業平均を約5.4万円下回る状況が続いています。一般産業で5%超の賃上げが続く中、介護職は2%程度の伸びにとどまり、格差が年々拡大している現実があります。
鈴木幹事長は「介護サービスは大変な状況だ。報酬アップにつながる」と意義を強調しました。2025年度補正予算では介護従事者に最大1万9000円の支給が決定していますが、これは半年分の一時的措置です。介護報酬の臨時改定により、恒久的な賃上げ基盤を構築することになります。
介護報酬改定の対象範囲も従来から大きく拡大されます。これまでの処遇改善加算は介護職のみが対象でしたが、今回はケアマネジャーや訪問看護、訪問リハビリの従事者も含まれます。介護に携わる全職種への支援により、人材確保の裾野を広げる狙いがあります。
「やっと他産業に追いつく支援が始まった。現場は期待している」
「月1万円では足りない。もっと大幅な改善が必要だ」
「臨時改定は異例だが、現場の実情を考えれば当然の判断」
「介護だけでなく医療も同時改定で現場の士気が上がる」
「財源確保が心配。保険料負担が重くならないか不安」
診療報酬も30年ぶり大幅改定で医療機関を支援
診療報酬改定では、医師や看護師の人件費にあたる本体部分を3.09%引き上げます。3%台の改定は1996年度の3.4%以来30年ぶりの水準です。賃上げ対応に1.7%、物価高対応に1.29%を充当し、医療機関の経営安定化を図ります。
厚生労働省の調査では、2025年8月時点で約2100の病院のうち49.4%が2024年度決算で赤字となっています。特に大学病院の経営は深刻で、全国約80の大学病院の2024年度赤字額は合計508億円と、前年度の168億円から大幅に拡大しています。
薬価部分は0.8%程度引き下げられますが、本体部分の上げ幅が上回り、全体では2014年度以来12年ぶりのプラス改定となります。鈴木幹事長は「地方には赤字経営を強いられている医療機関が多い。大変大きな改定だ」と評価しています。
補正予算と報酬改定の「二段ロケット」で底上げ
政府の支援策は「二段ロケット」方式で実施されます。第一段として2025年12月から介護職員に最大1万9000円、他職種に1万円を半年間支給します。第二段として2026年度の介護報酬臨時改定により、月額1万円程度の恒久的な賃上げを実現する計画です。
専門家は「他産業の賃金は上がり続けるため、月額3万円は必要」と指摘していますが、今回の措置により格差縮小に向けた第一歩が踏み出されます。財源には国費が充てられ、介護保険料や医療保険料への影響は限定的とされています。
2026年度予算案は120兆円超と過去最大規模となる見通しです。高市早苗首相は「国民の暮らし、生活を守る」として、物価高対策を最優先に位置付けています。医療・介護分野への大規模投資により、国民生活の基盤となるセーフティネットの強化を目指します。
通常国会では2026年度予算案の審議が焦点となり、野党からは財源確保や制度の持続可能性について厳しい追及が予想されます。しかし与党内では「現場の窮状を放置できない」として、処遇改善を最優先する方針で一致しています。