2025-06-17 コメント投稿する ▼
自公国が郵便支援法案を提出 税金で赤字救済は郵政民営化の理念に反するのか?
郵政民営化のはずが「準国営」へ逆戻り?
自民党、公明党、そして国民民主党の3党は、全国の郵便局ネットワーク維持のための財政支援を盛り込んだ「郵政民営化法等改正案」を6月17日に国会へ提出した。法案の骨子は、日本郵政株からの配当金を原資として、日本郵便に年間約650億円を交付する仕組み。赤字続きの日本郵便の経営を、事実上、国が支える構造となる。
しかしながら、国会はすでに会期末を目前に控えており、今国会での成立は見込めない情勢だ。自公国の三党は「意義を理解してもらうことを最優先」とし、法案成立に向けた地ならしに力を入れる方針を示した。
だが、郵政民営化から17年。小泉政権下で掲げられた「官から民へ」の理念とは正反対の動きに、「結局は税金で穴埋めか」との批判がくすぶる。
「郵便事業が赤字なのは理解するが、それを税で補うのは民営化の理念に反する」
「650億円も国が出すなら、それもう準国営企業じゃないの?」
「減税はしないのに、赤字会社には手厚い支援。おかしくない?」
郵便減少と赤字転落の現実
郵便の減少傾向は止まらない。総務省のデータによれば、2023年度の郵便物取扱数は過去10年で約3割減。背景には、電子メールや電子契約、SNSなどの普及があり、物理的な郵便需要が構造的に縮小している。
実際に、日本郵便は2025年3月期の連結決算で純損益42億円の赤字を計上している。現場では職員の負担が増す一方、過疎地では郵便局の維持すら困難な状況も出てきており、「全国一律サービスの維持」という美名と現実の間に、深い乖離が生じている。
だが、だからといって補助金によって赤字を穴埋めする方法が最善なのかという点には、多くの疑問が残る。
「赤字のたびに補助金、そしてまた赤字。その繰り返しでは?」
郵便局網の維持=既得権保護ではないか
法案のもう一つの柱は、「全国の郵便局ネットワーク維持」だ。これは一見、地域住民への利便性確保を目的としており、特に高齢者が多い地域では歓迎される施策に見える。
だが、実態としては、不採算局を抱える日本郵便の経営を、政府が直接間接に支える「公的補助スキーム」であり、民間企業が本来負うべきリスクを税金で吸収してしまう構図になりかねない。
郵便局が社会インフラとしての役割を担っていることは確かだが、その維持費用を誰がどこまで負担するかは、改めて国民的な議論が求められる。
「“地域のため”の裏にあるのは、日本郵政の延命策じゃないの?」
支援よりも減税と構造改革を
今、求められているのは補助金や給付金のような「場当たり的な支援」ではない。むしろ、構造改革と税制の見直しによって、民間活力を取り戻す方がはるかに有効だ。
650億円の交付金は、法人税の減税や、消費税の軽減策にも使える額だ。郵便という事業が時代の変化で収益性を失ったならば、そこに公的資金を投じるのではなく、事業構造の見直しや市場競争の中での再編こそが本来の解決策である。
郵政民営化の理念を曲げてまで、巨額の支援を行う必要があるのか。今一度、立ち止まって冷静に見極めるべき時だ。
「郵便が大事なのはわかる。でもそれ以上に、税金の使い方の方が深刻な問題だよ」