2026-01-29 コメント投稿する ▼
健康保険不正請求で指定取消9施設 返還請求48億円
厚生労働省によると、指定取り消しとなった医療機関には、歯科診療を手がける施設も含まれています。 返還請求額は前年度より約2億3千万円増えており、厚労省は返還請求の対象となる不正請求が一定の規模で継続している実態を示しているとみています。 厚労省は、指定取り消しに相当する事案が他にも14施設あったと明らかにしていますが、いずれも処分前に廃業していたため、取り消し処分には至りませんでした。
厚生労働省が不正請求で9施設の保険指定を取り消し 返還請求は48億円
厚生労働省は2026年1月29日、2024年度に診療報酬の不正請求などを理由に、健康保険法に基づいて医療機関9施設の健康保険の指定を取り消したと発表しました。返還請求額は約48億5千万円に上り、前年度から約2億3千万円増えています。今回の発表は国民の医療費負担や制度の公平性への強い関心が高まる中でのものです。
厚生労働省によると、指定取り消しとなった医療機関には、歯科診療を手がける施設も含まれています。具体例として、北海道の歯科や兵庫県の歯科医院などが挙がっていますが、処分対象となった施設名については個別公表が限られています。医師5人、歯科医師12人の計17人については保険医の登録が取り消されました。
不正請求の構図と返還請求額の増加
今回の返還請求総額が48億5千万円にのぼる背景には、高額な診療報酬が不正に請求されたケースが複数あることが影響しています。返還請求額は前年度より約2億3千万円増えており、厚労省は返還請求の対象となる不正請求が一定の規模で継続している実態を示しているとみています。
厚労省が制定している健康保険制度は、加入者が負担する保険料と公費を財源として医療費の一部負担を軽減する仕組みですが、不正請求が発生すると制度全体の公平性が損なわれます。診療報酬は厳格な算定ルールに基づいて支払われるべきもので、ルール違反が生じた場合は返還請求と指定取消が行われます。
返還請求額の内訳は厚労省が詳細を公表していませんが、例えば診療内容や実施日数が架空で計上されたり、実際の治療よりも高額な報酬点数が算定されたりした場合などが典型的な不正請求として知られています。こうした請求が積み重なると、短期間でも多額の返還請求につながることがあります。
「医療制度の信頼性が揺らぐ」
「不正が発覚したら徹底的な調査を」
「患者のための制度を守ってほしい」
「診療は誠実に行ってほしい」
「返還請求額の大きさに驚いた」
廃業や処分前の自主解消 指定取り消し相当は14施設
厚労省は、指定取り消しに相当する事案が他にも14施設あったと明らかにしていますが、いずれも処分前に廃業していたため、取り消し処分には至りませんでした。実務的には、廃業した医療機関に対して指定取消処分を行う意義が薄いとして、処分手続きが実施されなかったケースです。
廃業に至った背景には、不正請求の発覚を契機に経営が立ち行かなくなった例や、返還請求額の大きさが経営負担として致命的になった例が含まれているとみられています。ただし廃業と不正請求の因果関係について厚労省は個別に明らかにしていません。
保険指定取り消し処分の重要性と医療制度への影響
健康保険制度で医療機関が指定を受けることは、患者が一定の負担で医療を受けられることを保証するものです。指定取り消しとは、当該医療機関が健康保険制度の対象から外れることを意味し、患者は自費での診療費負担を余儀なくされる場合があります。そのため、医療機関にとって指定取り消しは経営上も重大な影響を及ぼします。
また、医師や歯科医師の登録取り消しは、当該医療従事者が一定期間保険診療を行えないだけでなく、社会的責任や信用にも大きく影響します。厚労省は不正請求を抑止するため、今後も指導や監査を強化するとしています。
不正請求防止策としては、請求内容の詳細な点検、電子カルテ等のデータ分析による異常値検知、第三者監査の導入強化などが検討されており、すでに介護サービス分野などで類似の施策が進められています。
厚生労働省が29日に発表した今回の不正請求への対応は、医療制度の信頼回復と保険財政の健全性を維持するための重要な措置です。国民が公平かつ適正な医療サービスを受けられるよう、今後の行政の取り組みが引き続き注目されます。