2026-01-18 コメント投稿する ▼
「引き上げるなら安楽死を認めて」高額療養費値上げで患者が悲鳴、負担2倍も
厚生労働省は「多数回該当の負担額を据え置くことで、長期療養患者への配慮をしている」としていますが、実際には負担額が2倍近くになる長期療養患者も少なくありません。 それが今回の見直しで2026年8月から上限額が引き上げられると、高額療養費制度の対象でなくなり、当然多数回該当でもなくなるので、負担額は8万3000円×6で49万8000円になります。
政府は2025年12月24日、高額療養費制度の見直しを決定しました。2026年8月と2027年8月の2段階で自己負担の上限額を引き上げ、最大で38パーセントの負担増となります。上野賢一郎厚生労働大臣氏と片山さつき財務大臣氏が2026年度予算案を巡る折衝で合意したものです。
厚生労働省は「セーフティネット機能を強化している」と説明していますが、患者たちの実情はまったく異なります。アンケートに寄せられた声の多くは悲鳴と言えるものでした。
「治療を諦めざるを得ません」患者の悲鳴
全国保険医団体連合会の本並省吾事務局長氏は、アンケート結果について「緊急アンケートに寄せられた声の多くは悲鳴です」と語っています。
48歳の女性はこう訴えています。「がん治療中。昨年末に手術を終え、これから抗がん剤治療などが始まります。収入は500万円から200万円へと半分以下に下がる見込みですが、今年は昨年の所得区分の上限額になります。普通に生活していくのもままならないのに、限度額が引き上げになってしまったらもう生活できません。治療も諦めざるを得ません」
54歳の女性も深刻な状況を訴えています。「現在、月々の医療費が8万円台で限度額に達し、多数回該当になるので、月4万4000円の支払いです。しかし限度額が引き上げられると限度額に達しなくなり、多数回該当から外れてしまいます。毎月8万円はとても払えません」
高額療養費制度は、1年間の利用回数が1回から3回までと、4回以上の多数回該当に分けられています。多数回該当になると、4回目以降の自己負担額が大幅に下がる仕組みです。例えば、3回目まで月8万円程度の自己負担額が、4回目からは月4万4400円になります。
厚生労働省は「多数回該当の負担額を据え置くことで、長期療養患者への配慮をしている」としていますが、実際には負担額が2倍近くになる長期療養患者も少なくありません。
「高額療養費の引き上げって、もう治療するなってことだよね」
「限度額上がったら多数回該当から外れる。月8万円なんて払えない」
「病気になったら生活できない国って、いったい何なの」
「高市政権は弱者を見捨てるつもりか。石破政権で凍結したのに」
「引き上げるなら安楽死を認めてほしいって、そこまで追い詰められてるんだよ」
負担が2倍近くに、23万円超の負担増も
長期で抗がん剤治療を行っている患者の多くは、1年間ずっと投与し続けているわけではありません。体調を見ながら「2か月治療をして1か月休む」など、投薬と休薬を繰り返している人が多いのです。
仮に、年収650万円の人が、ひと月の医療費8万3000円で、1年のうち6か月治療を受けているとしましょう。現行の制度だと多数回該当となり、4万4000円×6で26万4000円の負担です。
それが今回の見直しで2026年8月から上限額が引き上げられると、高額療養費制度の対象でなくなり、当然多数回該当でもなくなるので、負担額は8万3000円×6で49万8000円になります。負担額が2倍近くになり、23万円超の負担増です。
長期療養で収入が減るケースも多い中、治療を諦めざるを得ない人も出てくるでしょう。高額療養費制度についてメディアで取り上げられる際、「数百万円の抗がん剤治療が、高額療養費制度のおかげで数万円の負担になり助かった」といった事例をよく見聞きします。
もちろんこのような患者もたくさんいます。ですが、例えば患者数が多い乳がんの標準治療に使用される抗がん剤の多くは、3割負担で1回あたり数万円程度です。上限額が引き上げられると限度額に達しなくなり、高額療養費制度が利用できなくなる、つまり多数回該当が利用できず、毎月の負担額が大幅に増える人が大勢いるのです。
「引き上げるなら安楽死を認めて」の悲痛な声
アンケートでは、次のような声も多く寄せられました。60歳の女性は「昨年末でいったん治療が終わりましたが、再発した時に限度額が上がっていたら、治療はあきらめるしかないと考えています。引き上げるなら、安楽死を認めてほしい」と訴えています。
この声は、単なる感情的な発言ではありません。治療を続けられなければ死を選ぶしかない、という極限状態に追い込まれた患者の叫びです。石破茂前首相は2024年末、患者団体の反発を受けて高額療養費の限度額引き上げを凍結しました。
しかし、わずか1年で高市早苗政権が凍結を解除しました。患者は命の選択を強いる負担増を突き付けられ、失望と怒りが急速に広がっています。
アンケート結果からは、特に子育て世代の切実さが伝わってきます。治療で仕事が制限され収入は減る一方なのに、住宅ローンや教育費、医療費など支出は増える。さらに物価高が追い打ちをかけ、追加負担を払う余裕などどこにもありません。
利用者は15人に1人、他人事ではない
高額療養費制度は、がんや難病の患者だけが利用するものではありません。病気やケガで保険医療を受け、自己負担額が高額になった時に、一定額を超えた分が払い戻される制度で、2023年度の利用者は821万人です。国民の15人に1人が利用していることになります。
例えば年収650万円から770万円世帯の人が盲腸などで入院して手術を受けた場合、負担上限額は現行の8万100円から2026年8月には8万5800円、2027年8月からは11万400円へと段階的に3万円以上も増えます。長期療養者だけでなく、一度の短期入院や手術でも負担が増えるのです。
物価上昇が止まらず生活が苦しくなる中の3万円の負担増は少なくありません。全国保険医団体連合会の試算によれば、2026年と2027年の2年間にわたる制度改悪で給付費が2450億円削減されます。
重大なことは限度額引き上げに伴う受診抑制を1070億円見込んでいることです。受診抑制により削減される金額は削減全体の約44パーセントにあたります。まさに命を削って1000億円削減されることを見込んでいることになります。
保険料軽減効果はわずか年1400円
厚生労働省は、限度額引き上げの目的の一つに現役世代の保険料負担軽減を掲げています。しかし、加入者一人当たりの保険料軽減効果は、年間で1400円であることが分かりました。各保険者で600円から2100円とばらつきがありますが、年間で1400円、月額だと116円とわずかな軽減にとどまります。
月額116円の保険料軽減のために、がん患者や難病患者に「治療を諦めろ」「安楽死を認めてほしい」とまで言わせる制度改悪が本当に必要なのでしょうか。物価高対策の財源を投入し、むしろ負担軽減策を打ち出すべきではないでしょうか。
全国保険医団体連合会の本並事務局長は「もっと実情を理解した上での再考を強く望みます」と訴えています。高市政権は、患者の悲鳴に耳を傾けるべきです。
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