東京都と23区が墓地埋葬法改正要望 火葬料金9万円の独占状態に行政指導権限強化求む

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東京都と23区が墓地埋葬法改正要望 火葬料金9万円の独占状態に行政指導権限強化求む

東京都と23区の区長でつくる特別区長会は2025年11月25日、民間火葬場の火葬料金高騰問題を受け、墓地埋葬法の改正を国に要望しました。 厚生労働省側は、現行法でも区市町村が民間火葬場の火葬料金について指導できるとの立場をとっており、10月には、火葬料金が法外な料金設定になっていないかを確認するなど、指導監督を行うよう自治体に通知を出したとしていますが、実効性に疑問があります。

火葬料金高騰で東京都と23区が法改正要望 民間独占に行政の指導権限強化求む


東京都と23区の区長でつくる特別区長会は2025年11月25日、民間火葬場の火葬料金高騰問題を受け、墓地埋葬法の改正を国に要望しました。栗岡祥一副知事と特別区長会会長の吉住健一新宿区長が、厚生労働省を訪れ、上野賢一郎厚労相に要請したものです。

都内、特に23区内の火葬料金は全国でも突出して高額で、深刻な社会問題となっています。この問題は単なる料金高騰にとどまらず、民間企業による事実上の独占状態と、それに対する行政の指導力不足が背景にあります。

突出する東京23区の火葬料金


東京23区の火葬料金の高さは全国的に見ても異常な水準です。23区の火葬場は9カ所あり、このうち、最大手の東京博善(港区)が6カ所を担う。料金は4年前は6万円を切っていたが、近年は値上げを続け、今は9万円に達する状況となっています。

一方で、厚労省の通知では、火葬事業について「原則として経営主体は地方自治体」とする。全国の火葬場のうち99%が自治体などの公営で、料金は1万~2万円となっており、東京23区の料金は全国平均の約4倍という異常な水準です。

この高額な料金設定により、深刻な問題が発生しています。都内のある区では昨年、親戚の遺体の引き取りを住民が拒否する事例があった。区は引き取り手がない「行旅死亡人」として火葬を引き受けたという、「費用が高くて火葬できない」という事態まで発生しています。

現行法の限界と法改正の必要性


今回の要望の核心は、現行の墓地埋葬法では民間火葬場の料金設定に対する行政指導の権限が不明確であることです。都と特別区長会は以下の内容を求めています。

火葬料金に関する指導権限を明確にするよう国に要望した。民間火葬場の料金設定に行政が関与できる仕組みづくりも求めたほか、火葬料金の設定の考え方に関するガイドラインを国が示すよう要望。民間火葬場が火葬以外の事業を行っている場合は、火葬事業の経費に関し、内訳の公表を義務付けることも求めたとしています。

厚生労働省側は、現行法でも区市町村が民間火葬場の火葬料金について指導できるとの立場をとっており、10月には、火葬料金が法外な料金設定になっていないかを確認するなど、指導監督を行うよう自治体に通知を出したとしていますが、実効性に疑問があります。

「火葬代が9万円って正気か、死ぬのにも金がかかりすぎる」
「民間独占をなんとかしろよ、これじゃぼったくりと同じ」
「他県では1万円なのに東京だけ異常すぎる」
「公営火葬場を増やしてくれ、民間に任せるからダメなんだ」
「法改正は当然、行政が指導できないなんておかしい」

民間独占の弊害と構造的問題


東京23区の火葬料金高騰の背景には、民間企業による事実上の独占状態があります。23区に民間の火葬場が多いのは、人口密集地で火葬場を新規に建設することが難しかった事情がある。東京博善は、寺院など古くからあった火葬場を買収して事業を拡大してきました。

料金値上げの推移を見ると、その急激さが分かります。結果、2021年1月には、一般向けのもっとも安い「最上等」の大人料金を5万9000円から7万5000円と、1万6000円の値上げを実施した後、さらに値上げを重ね、現在は9万円台に達しています。

この値上げについて業界関係者は、「通常、値上げする場合は業界内で『1年後に値上げします』といった根回しをして、業界各所の同意を取ったうえでおこないます。しかし、東京博善はそういった慣習をいっさい無視して、2020年秋ごろ、いきなり『3カ月後に値上げします』と、一方的な通達を出したんです」と証言しており、独占的地位を背景とした一方的な値上げが問題視されています。

厚生労働大臣の反応と今後の展望


上野賢一郎厚生労働大臣は要望に対し、「現行の火葬料金が適切かどうか判断するのは難しい。条例で基準を設定できるのではないか」としつつ、「現行法でどこまでできるか、料金に関して国として何ができるか研究したい」と回答しました。

しかし、都と特別区長会は、墓埋法に火葬料金を含む経営管理に関する事業者の責務など具体的な規定がないことから、「指導の実効性を担保することができない」と主張。あくまで同法の改正を求める方針を堅持しています。

この問題は東京都だけでなく、全国の自治体にとっても重要な先例となります。公共性の高い火葬サービスが民間独占により適正価格から大きく乖離する現状は、法的枠組みの整備が急務であることを示しています。

少子高齢化が進む中で、火葬需要は今後も増加が見込まれます。誰もが必要とする最後のセーフティネットともいえる火葬サービスの適正価格確保は、行政の重要な責務といえるでしょう。今回の法改正要望が、全国の火葬料金適正化に向けた重要な一歩となることが期待されます。

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2025-11-26 10:24:21(植村)

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