2025-11-21 コメント投稿する ▼
厚生労働省、生活保護基準再改定で2.49%減額方針。特別給付金支給も
これにより、2013年から2015年にかけて行われた大幅な引き下げが違法であるとされた最高裁の判決を受け、生活保護基準を再度減額することとなりました。 さらに、今回の対応方針では、全利用者に対して平等に支給されるべき生活保護費が、原告に対してのみ追加で支給される「特別給付金」という形で区別されています。
生活保護費再減額方針に疑問の声
厚生労働省が生活保護基準の再改定を決定
厚生労働省は2025年10月21日、生活保護基準に関する「いのちのとりで裁判」の最高裁判決を受け、国が過去に行った生活保護基準引き下げに関する対応方針を決定しました。これにより、2013年から2015年にかけて行われた大幅な引き下げが違法であるとされた最高裁の判決を受け、生活保護基準を再度減額することとなりました。再改定後の基準は2.49%の減額となり、その差額分を全利用者に支給することが決まりました。また、原告に限り、追加の「特別給付金」が支給される予定です。
生活保護基準引き下げの背景
厚生労働省によると、2013年から2015年にかけて、物価の下落率を元にした「デフレ調整」が実施されました。この調整により、生活保護基準は一律で4.78%の減額が行われました。しかし、最高裁はこの引き下げが違法であると判断し、過去にさかのぼってその適用を無効としました。
今回の再改定において、厚生労働省は基準を2.49%減額した新たな数字を導入し、過去に引き下げた部分を補う形で約10万円を支給する方針を決定しました。これにより、約300万世帯、2000億円規模の支援が実施される予定です。しかし、この新たな基準に対しては強い批判もあります。
批判の声と問題点
再改定に関して、専門家や弁護団は強い懸念を示しています。最高裁の判決が指摘した「デフレ調整」を基にした引き下げを再び適用することは、物価下落を反映させた不当な措置を再度取り入れることになり、利用者に対してさらに負担を強いる結果を招くとしています。
特に「紛争の蒸し返し」になるとの指摘があります。引き下げを巡っては、すでに法的な結論が下されており、改めてその差額を支給することが無意味だとの批判です。国の専門委員会の委員からも、再改定が「公平性を欠く」結果を招くとの反発の声が上がっています。
さらに、今回の対応方針では、全利用者に対して平等に支給されるべき生活保護費が、原告に対してのみ追加で支給される「特別給付金」という形で区別されています。これもまた、生活保護の無差別平等原則に反するものとして、一部から厳しく指摘されています。
「政府は再び生活保護受給者を分ける判断をしている。法律で決まった基準を無視してまで、平等でなく不公平な支援をする意味があるのだろうか」
「結局、生活保護を受ける人々はどれだけ苦しんでいても、政治家たちは口先だけで支援をしているという印象が拭えない」
「社会的弱者を救うのは当然だが、支援が不公平に扱われるのは納得できない。制度自体の見直しが必要だ」
「生活保護を受けるのは本当に苦しい人たちだからこそ、支援が公平であるべき。特別給付金を原告だけに与えるのは理解できない」
「再改定がなぜ必要なのか、誰も納得できない理由が多すぎる。もっと生活保護に対する根本的な改革が必要だ」
国の対応と今後の課題
厚生労働省は、今回の再改定により、2025年度の補正予算案に生活保護費として2000億円を計上する意向を示しています。これにより、補償額が利用者1世帯あたり約10万円となる見込みです。しかし、この再改定に対しては引き続き多くの疑問と反発が予想されます。
特に、原告に対する特別給付金の支給がどれほど効果的であるか、またその実施方法が適切かどうかは今後の焦点となるでしょう。さらに、生活保護制度の根本的な見直しが必要だという意見も多く、今後の議論に注目が集まります。
厚生労働省の再改定方針は、過去の生活保護基準引き下げを受けた最高裁判決を踏まえたもので、生活保護利用者への支援を一定の形で補償しようという試みです。しかし、その方法については、平等性や公平性を欠くとの強い批判が上がっています。特に、原告とその他の利用者を区別する形で支給が行われることについては、制度自体の改善が必要だという声が高まっています。
生活保護制度の改善が今後どのように進められていくのか、その方向性に注目する必要があります。