コメ民間備蓄の放出命令違反に最大1億円罰金、政府が食糧法改正案方針

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コメ民間備蓄の放出命令違反に最大1億円罰金、政府が食糧法改正案方針

政府が2026年の通常国会に提出する食糧法改正案で、米の民間備蓄制度に最大1億円の罰金を科す方針を固めました。 2024年夏以降のコメ不足と価格高騰を教訓に、大規模な出荷・販売事業者に一定量のコメの保有を義務付け、供給不足時に迅速に放出できる体制を整える狙いです。 農水省は大規模な出荷・販売事業者に対し、省令などで定める「基準保有量」を常時保有させる方向で調整しています。

政府が2026年の通常国会に提出する食糧法改正案で、米の民間備蓄制度に最大1億円の罰金を科す方針を固めました。2024年夏以降のコメ不足と価格高騰を教訓に、大規模な出荷・販売事業者に一定量のコメの保有を義務付け、供給不足時に迅速に放出できる体制を整える狙いです。

農林水産省は2026年度に約5万トン分の実証事業を行い、2028年4月の本格施行を目指しています。民間備蓄は20万トンで検討中で、政府備蓄の80万トンと合わせ、現在と同じ100万トン水準を維持する方針です。

令和のコメ騒動が浮き彫りにした制度の限界


2024年夏、日本は「令和のコメ騒動」と呼ばれる深刻なコメ不足に見舞われました。2023年の猛暑による品質低下や、南海トラフ地震臨時情報を受けた買い占めなどが重なり、スーパーの棚からコメが消える事態が発生しました。小売価格は2024年初頭の約300円から2025年5月には約800円まで高騰し、国民生活に大きな影響を与えています。

政府備蓄米の放出には時間がかかり、消費者に届くまでのタイムラグが問題視されました。入札でも随意契約でも迅速な供給ができなかったため、農水省は民間の商流を活用する必要性を痛感しました。今回の民間備蓄制度は、こうした反省を踏まえた抜本的な見直しです。

「米不足のとき政府備蓄があるのに全然出てこなかった。何のための備蓄なのか」
「民間に義務付けるなら、保管費用はちゃんと補償してもらえるんだろうな」
「1億円の罰金って、そんな巨額なら事業者は萎縮するんじゃないか」
「コメの値段が高すぎて家計が苦しい。こういう対策は早くやってほしかった」
「罰金より先に、農家への支援を増やすべきじゃないのか」

業界から異論と疑問の声


農水省は大規模な出荷・販売事業者に対し、省令などで定める「基準保有量」を常時保有させる方向で調整しています。事業者が基準保有量を下回った場合は是正を勧告し、一定期間改善されなければ命令を出す仕組みです。放出の勧告にも従わない場合は、対象業者を公表した上で放出を命令できるようにします。

しかし2025年12月の食糧部会では、制度に対する疑問や反発の声が相次ぎました。全米販の山﨑元裕理事長は、「コメ供給不足が予見される状況では、実需者から必要量より多い納品要求が来る。在庫は瞬時に義務備蓄量まで減少する」と指摘しました。さらに「その状態で義務備蓄分を販売すれば法律違反になり、かえって実需者への供給が滞る」と強調し、制度設計の矛盾を訴えています。

罰則の実効性と事業者負担の問題


最大1億円という罰金額は、違反への強い抑止力を狙ったものですが、事業者にとっては重い負担です。保管費用や金利負担を誰が負担するのか、義務備蓄量の算定基準は適正なのかなど、詳細な制度設計が求められます。

過去には政府備蓄米の買い入れ契約を結んだ事業者が、コメ価格の高騰を受けて違約金を支払ってでも転売する事例が発生しました。2025年初めには7事業者が規定数量を納入せず、違約金の支払いと3か月の入札資格停止処分を受けています。こうした教訓から、罰則を設けることで制度の実効性を担保する狙いです。

しかし高額な罰金だけで事業者の協力が得られるわけではありません。民間備蓄を担う事業者への経費支援や、流通の混乱時における柔軟な運用など、制度の実効性を高める仕組みが不可欠です。国民の食料安全保障を守るという大義名分のもと、事業者に一方的な負担を強いることがあってはなりません。

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2026-03-14 09:52:47(植村)

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