2026-02-27 コメント投稿する ▼
鈴木宣弘農水相、アルゼンチン産牛肉輸入解禁で国産への影響不明と
高市早苗政権が食料自給率の向上を掲げる中、アルゼンチン産牛肉の輸入解禁が決定し、国内の牛肉産地への影響が懸念されています。2026年2月27日の記者会見で鈴木宣弘農林水産大臣は、国産牛肉への影響は現時点では不明との見解を示しました。
世界第5位の生産国から輸入へ
2026年2月26日に開催された家畜衛生部会で、アルゼンチン全域からの牛肉の輸入が解禁される見通しとなりました。アルゼンチンは牛肉の生産量が世界第5位の畜産大国であり、一部の食肉業者からは既に買入れを検討したいという声も上がっています。
鈴木大臣は2026年2月27日の記者会見で「アルゼンチン北部地域からの生鮮牛肉の輸入解禁については、かねてから両国の担当部局間で協議を続けてきたところです」と説明しました。昨日の答申では、本地域は口蹄疫ワクチン接種清浄地域と認められるものの、輸入による口蹄疫の侵入リスクを極めて低くするため、脱骨・熟成などの上乗せのリスク管理措置を課すべきとの内容でした。
今後、両国間で具体的な輸入条件の協議や施設の指定等について、協議・調整を進めていくことになっています。大臣は「引き続き、科学的データに基づき、両国の専門家の間での技術的な協議を進めてまいりたい」と述べました。
「安い外国産が入ってきたら国産牛肉が売れなくなる」
「食料自給率上げるって言ってたのに矛盾してる」
「消費者としては選択肢が増えるのは嬉しい」
国産乳用種との競合懸念
鈴木大臣は国産牛肉への影響について「アルゼンチン産の牛肉は赤身牛肉です。肉質としては、既に輸入されている米国産や豪州産と競合するほか、国産の乳用種と競合するものと考えられます」と分析しました。
日本では和牛のような霜降り肉が高級品として扱われる一方、乳用種から生産される赤身牛肉は比較的安価な国産肉として流通しています。アルゼンチン産の赤身牛肉が大量に輸入されれば、国産乳用種の価格下落や販売不振につながる可能性があります。
ただし大臣は「輸入牛肉の価格自体は、今後、為替レートや輸送コスト等の影響を受けるため、国産牛肉への影響を一概に申し上げることは現時点ではできない」と慎重な姿勢を示しました。為替相場の変動や国際的な物流コストの推移によって、実際の輸入価格は大きく変わる可能性があります。
「国内の畜産農家が廃業に追い込まれないか心配」
「食料安全保障って言うなら国産を守るべきだ」
食料自給率向上との矛盾
高市政権は食料自給率の向上を重要政策の一つに掲げており、国内農業の振興を推進しています。しかし今回のアルゼンチン産牛肉の輸入解禁は、この方針と矛盾するのではないかという指摘もあります。
日本の食料自給率はカロリーベースで約38パーセント(2024年度)にとどまっており、先進国の中でも極めて低い水準です。特に畜産分野では飼料の多くを輸入に依存しており、国産牛肉といえども完全な自給とは言えない状況です。
政府は国内畜産農家への支援策として、飼料価格高騰対策や経営安定化のための補助金を拡充していますが、輸入自由化と国内保護のバランスをどう取るかが課題となっています。国際貿易協定や二国間交渉の中で、市場開放を求められる一方、国内産業を守る必要もあり、難しい舵取りを迫られています。
消費者と生産者の狭間で
消費者にとっては、輸入牛肉の選択肢が増えることで価格競争が促進され、より安価な肉を購入できる可能性があります。一方、国内の畜産農家にとっては、さらなる競争激化により経営が圧迫される懸念があります。
政府は今後、アルゼンチンとの協議を進めながら、輸入条件の詳細を詰めていく方針です。口蹄疫などの家畜伝染病の侵入を防ぐための検疫体制の強化と同時に、国内畜産業への影響を最小限に抑える対策が求められます。
鈴木大臣は記者会見で「科学的データに基づいた判断」を強調しましたが、国民が求めているのは具体的な国内農家保護策です。輸入解禁が既定路線であるならば、それに伴う国内対策を明確に示す必要があります。