2025-12-05 コメント: 1件 ▼
コメ価格高騰 過去最高値を更新・農水省無策がもたらす国民負担
全国のスーパー約1000店舗で集計された、直近1週間(11月24〜30日)のコメの平均販売価格が、5キロあたり 4,335円 に達し、過去最高値を更新したと 農林水産省 が12月5日に発表しました。 それにもかかわらず価格が高止まりする理由について、専門家らは需要と供給のバランスの歪みと流通構造の硬直性を指摘しています。
異常な上昇続くコメ価格
全国のスーパー約1000店舗で集計された、直近1週間(11月24〜30日)のコメの平均販売価格が、5キロあたり 4,335円 に達し、過去最高値を更新したと 農林水産省 が12月5日に発表しました。前の週から23円の上昇です。3週間前につけた「過去最高値」であった4,316円を上回りました。4000円台への高止まりは9月以降継続しており、この間ずっと 「高値圏」で売買が続いています。
同様に、ホームセンターなどを含む小売店約6000店舗の平均価格は5キロあたり4,315円、全国スーパー約1,200店の平均価格も3,835円にそれぞれ上がっています。いずれも先週比で上昇し、小売店全体でコメ価格の上振れが進んでいます。
背景—供給余力ありながら価格高騰
にもかかわらず、国内のコメの生産そのものは減っていません。2025年の主食用米の収穫見通しは約 7.48百万トン と、9年ぶりの高水準です。これは前年度をおおむね10%上回る見込みでした。
それにもかかわらず価格が高止まりする理由について、専門家らは需要と供給のバランスの歪みと流通構造の硬直性を指摘しています。過去の政策で「食用米」から「飼料米」への転作を強く促進してきたため、食用米として市場に流通する量が抑えられてきました。また近年、新たに導入されたコメの先物市場の運用も、実需と直結しない投機の温床になりやすい、との批判があります。これらが、日本のコメ市場の「需給のゆがみ」と「不透明な流通構造」を生んでいます。
こうした状況を受け、政府は2025年2月に備蓄米を約21万トン放出しました。しかし実際に流通したのはわずか7%程度にとどまり、多くは卸売業者や流通団体(特に農協)によって買い取られたため、消費者向けの価格安定にはほとんどつながりませんでした。 ([East Asia Forum][4])
政府・農水省の無策が引き起こす混乱
こうした事態は、明らかに政府・農水省のコメ政策の失敗の結果です。消費者の生活必需品であるコメの価格が、国内で十分な収穫見込みがあるにも関わらず高騰を続けるのは、政策の根本的な欠陥がある証左でしょう。
政府の備蓄米放出は絵に描いた餅に終わり、実質的には流通構造の変更も不透明なままです。こうした「場当たり的対応」では、家計に重くのしかかる物価高を抑えるには程遠い。特に、所得の低い世帯や年金生活者にとって、コメの高価格は生活の基盤を揺るがす深刻な問題です。
国民の怒りと不満
SNS上では、日々の食卓を支えるコメの高騰に対して不満を漏らす声が相次いでいます。
「コメがこんなに高いなんて信じられない。毎日のご飯が苦しくなる」
「家族5人で食べるとすぐなくなるのに、この値段は酷すぎる」
「備蓄米を撒いても安くならないなら意味ないでしょ」
「農水省は何をしてるんだ。本気で家計を守る気あるのか」
「このままでは昔の“米騒動”が再来しそう…」
こうした声からは、国民のあきらめと怒り、そして政府への強い不信が読み取れます。
ことの重大さ—「令和の米騒動」の再来も
過去、日本でコメ価格の高騰が社会不安や実質的な生活困窮につながった例として、1918年の コメ騒動(1918年) や、供給混乱が話題となった2008年の世界的な米危機があります。今回のように「国内生産があるのに値段が上がる」構造的な歪みが是正されなければ、再び同様の社会混乱を招く可能性は否定できません。
今回の価格急騰は、単なる一過性の物価問題ではなく、消費者の「命をつなぐ主食」に直結する根深い構造の問題です。政府と農水省には、安易な備蓄放出に頼るのではなく、コメ市場の制度を抜本的に見直す責任があります。