石破首相、法人税減税の効果「思った効果あげなかった」　内部留保偏重を反省し改革へ

石破茂首相は27日、参議院財政金融委員会において、過去の法人税減税が期待された効果を上げなかったとの認識を示し、今後の税制改革に取り組む考えを明らかにした。

政府は2014年度から海外企業の誘致と競争力強化を目的に、法人税の実効税率を段階的に引き下げ、2018年度には29.74％とした。しかし、共産党の小池書記局長は、これらの減税が賃上げや下請け支援に繋がらず、企業の内部留保を増加させただけではないかと指摘した。これに対し、石破首相は「法人税を下げたことが決して思ったような効果をあげなかった」と述べ、深い反省のもと、今後の法人税改革に取り組む意向を示した。

【法人税減税と内部留保の関係】
法人税減税の目的は、企業の投資や賃上げを促進し、経済全体の活性化を図ることにあった。しかし、実際には多くの企業が減税による利益を内部留保として蓄積し、設備投資や人件費の増加には十分に反映されなかったとの指摘がある。財務省の「法人企業統計」によれば、2018年度の日本企業の内部留保は約463兆円に達し、7年連続で過去最高を更新している。

【内部留保の増加要因とその影響】
内部留保の増加要因としては、法人税減税や人件費の抑制が挙げられる。一方で、内部留保は企業が将来の投資や予期せぬ事態に備えるための資金でもあり、その存在自体が問題視されるべきではないとの意見もある。しかし、過度な内部留保の蓄積は、賃金の停滞や経済の低迷を招く可能性があるため、バランスの取れた資金活用が求められる。

【今後の税制改革の方向性】
石破首相は、消費税を含めた税制全体の見直しについて、「いかに格差の拡大を阻止するかや個人消費を上げるかなど、あらゆる観点から議論させてもらいたい。最初から結論ありきで議論するつもりはない」と述べ、多角的な議論を進める姿勢を示した。今後の税制改革では、企業の内部留保に対する課税や、特定企業への優遇措置の見直しなどが検討される可能性がある。これにより、企業の資金がより効果的に経済活性化に寄与することが期待される。


- 石破首相は、過去の法人税減税が期待された効果を上げなかったと認識し、税制改革に取り組む考えを示した。
- 法人税減税により、企業の内部留保が増加し、賃上げや設備投資への効果が限定的であったとの指摘がある。
- 内部留保の増加要因として、法人税減税や人件費の抑制が挙げられるが、過度な蓄積は経済停滞を招く可能性がある。

藤田(50歳・女性)