2025-10-14 コメント投稿する ▼
立憲安住淳幹事長「数合わせは当たり前」発言に批判 政策統一なき野党
2025年10月14日、立憲民主党の安住淳幹事長は記者会見で、首相指名選挙での野党候補一本化をめぐり、国民民主党の玉木雄一郎代表に対して強い苦言を呈しました。 立憲民主党は2025年10月8日から、国民民主党や日本維新の会に対して、首相指名選挙での野党候補一本化を呼びかけてきました。
数合わせ優先の危うい発想
安住氏は会見で、「自民党も立民も数合わせをやっている。そんなこと、この世界にいたら当たり前だ」と述べ、政治の現実として数の論理を強調しました。理念は大事だとしながらも、きれい事で本質を隠すべきではないという姿勢を示しています。
さらに国民民主党への同調を求めている玉木氏に対して、「まどろっこしいことは言わず、党首同士で話したらいい」と直接対話を促しました。安住氏は、立民は自民党を上回るために死に物狂いで票を集めていると強調し、「場合によっては野田佳彦代表を降ろしてでもと言っている私たちの方がはるかに本気だ」とまで訴えました。
しかし、この発言は立憲民主党が政権奪取のためなら政策の違いを無視してでも数を集めようとする姿勢を露呈したものと言えます。政権交代への焦りが、現実的な政権運営の視点を欠いた主張につながっているのではないでしょうか。
政策統一なしに政権維持は不可能
立憲民主党は2025年10月8日から、国民民主党や日本維新の会に対して、首相指名選挙での野党候補一本化を呼びかけてきました。野田佳彦代表は、自らの代表職にこだわらず玉木氏を首相候補とする可能性まで示唆しています。
ところが、この提案には重大な問題があります。国民民主党と立憲民主党は、原子力発電政策で真っ向から対立しています。立民は原発ゼロを掲げる一方、国民民主党は原発活用を主張しています。安全保障政策でも、立民が安全保障関連法に違憲部分があれば廃止すると主張しているのに対し、国民民主党は現行の安保法制を維持する立場です。
「政策バラバラで政権取ってどうするの」
「数合わせだけで国民が納得すると思ってるのか」
「玉木さんの言う通り、安保は譲れないでしょ」
「立憲は政権欲しいだけで理念がないのがバレた」
「こんな野党に政権任せられないわ」
玉木氏は2025年10月13日未明、自身のSNSに長文を投稿し、「安全保障政策は国民の生命や財産に直結する国の基本政策です。交渉して譲ったり譲られたりする問題ではない」と明言しています。これは極めて正論であり、エネルギー政策や安保政策といった国家の根幹にかかわる問題で妥協することは、国民に対する無責任な態度と言わざるを得ません。
現実離れした立憲民主党の主張
野田氏は2025年10月12日、国民民主党に対して「のりしろを持ってきてほしい」と歩み寄りを求めました。しかし、これに対して玉木氏が「あまりにも高いところから物を言い過ぎじゃないか」という批判を受けたという報道もあります。
実際には逆ではないでしょうか。立憲民主党こそが、政策の違いを棚上げにして数だけ集めれば政権が取れるという、あまりにも現実離れした発想に立っています。仮に首相指名選挙で野党候補が勝利したとしても、その後の政権運営で基本政策をめぐる対立が表面化すれば、政権は早期に崩壊する可能性が高いと言えます。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は、立民との会談後に「憲法、安全保障などで決定的に考えが異なる」と指摘し、「打算と数合わせで一緒に行動することは考えていない」と明言しています。この慎重な姿勢こそが、責任ある政党の態度と言えるでしょう。
参院選で示された民意は減税
2025年7月に実施された参院選では、国民民主党が減税政策を前面に打ち出し、支持を拡大しました。これは国民が給付金ではなく減税を求めているという明確な民意の表れです。ところが立憲民主党は、この民意に十分に応えているとは言えません。
政権交代を目指すのであれば、まず立憲民主党自身が国民民主党の政策に歩み寄り、原発政策や安保政策での立場を明確に修正すべきではないでしょうか。数合わせを当たり前と開き直る前に、国民が求める政策を実現できる体制を整えることこそが、野党第一党としての責任です。
2025年10月15日には野田氏、藤田文武維新共同代表、玉木氏による党首会談が予定されていますが、立憲民主党が現実的な政策調整に応じない限り、野党候補の一本化は困難と見られます。政権交代への近道はなく、地道な政策協議こそが求められています。