2025-06-25 コメント投稿する ▼
枝野幸男氏が建設業界の賃上げを後押し 全建総連中央総決起集会で連帯表明
物価高騰に対抗する「現場の声」 全建総連が中央総決起大会
建設労働者の労働条件改善と予算増額を求める「物価高騰から仕事と暮らしを守れ!6.25賃金・単価引き上げ、予算要求中央総決起大会」が6月25日、都内で開催された。主催は全国建設労働組合総連合(全建総連)。全国から建設労働者や業界関係者が一堂に会し、建設現場の実態と切実な要求を訴えた。
会場には多くの与野党議員が出席したが、なかでも注目を集めたのが、立憲民主党最高顧問であり「建設技能者の育成を支援する議員連盟」会長でもある枝野幸男氏の登壇だった。
枝野氏は連帯あいさつの中で、「物価が上がり続ける中で、資材費や燃料費など建設コストも急上昇しており、このままでは現場がもたない」と警鐘を鳴らした。さらに、「コスト高のしわ寄せが現場の技能者に押し寄せている。物価上昇を上回る水準で賃金・単価を引き上げなければならない」と訴え、会場から大きな拍手を受けた。
枝野氏「建設国保は命綱」 立民が支援強化を約束
建設現場では常勤雇用が少ないこともあり、健康保険制度の中でも「建設国保」の役割は極めて大きい。枝野氏は「建設国保は、建設労働者にとっての命綱」と強調し、その水準を確保・維持することが政治の責務だと明言。「私たち立憲民主党も、皆さんの声を受け止め、最大限の努力を尽くしていく」と語った。
会場では、近年の入職者減少や若手技能者の定着率低下に関する現場からの危機感も共有され、「仕事があるのに人がいない」「技能が伝承されず業界が崩れる」といった声が相次いだ。枝野氏もこの点に触れ、「建設業の持続可能性を守るためにも、人への投資と制度的支援が不可欠だ」と述べた。
「やっと政治が現場に耳を傾け始めた。枝野さんの言葉には覚悟があった」
「建設国保の問題に真正面から触れてくれたのがうれしい」
「コスト高で倒れそうな中小事業者にとって、こうした発信は支えになる」
「物価高でも賃金据え置きじゃ若手が辞めるのは当たり前」
「現場が壊れたら日本のインフラも壊れる。今がギリギリのラインだ」
大島敦氏・小宮山泰子氏も出席 党を挙げた支援姿勢を表明
この日の集会には、枝野氏のほか、立憲民主党の大島敦企業・団体交流委員長、小宮山泰子同代行も出席。業界の声を直接受け止める姿勢を見せた。大島氏は「現場の持続性があって初めて安全な社会インフラが成り立つ」と述べ、小宮山氏も「賃金と単価の引き上げは一体でなければならない」と力強く応じた。
全建総連側からは、公共事業における設計単価の見直しや、適正な価格転嫁を可能にする制度の強化も要望された。会場は終始、現場を支える人々の「生活と誇りを守れ」という空気に包まれていた。
政治が支援を約束しても、実現するまでには予算、制度、官僚組織という多重の壁がある。しかし、今回のように国会議員が現場の声を受け止め、政策へ反映する意思を示した意義は大きい。
労働なくして社会は立たない 技能者への敬意を政策へ
建設労働は、国のインフラを支える根幹である。だが、その現場では高齢化、後継者難、賃金低迷が進み、業界の維持すら危ぶまれている。単なる人手不足ではなく、「技能」が消えつつある危機――それが、全建総連が訴える本質だ。
枝野氏の「命綱」発言が示す通り、技能者への敬意が政策に反映されるかどうかは、これからの政治のあり方を左右する。口先だけでなく、賃金と制度で「現場」を守る。それが、政治と行政にいま最も強く求められている姿勢だ。