2025-04-09 コメント投稿する ▼
ドイツ慰安婦像に“拉致”表記 岩屋外相が内容把握せず 維新・西田氏が政府対応を批判
岩屋外相は、これまで関係者に日本の立場を説明し、懸念を伝えてきたとしたうえで、「設置したのはドイツ当局やケルン、カッセルの行政ではない。だからこそ、こうしたものを容認しないよう、引き続き働きかけていきたい」と語った。また、「政府がこれまでに発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる“強制連行”を直接示すものは確認されていない」と、改めて政府の基本的見解も示した。
「碑文の内容、知っているか」——西田議員が外相を追及
この答弁を受け、西田議員は「では像の前にある碑文の内容を大臣は知っているのか」と質問。外務省の担当者は「内容は承知している」と答えたが、岩屋外相自身は「私は直接には存じ上げません」と答弁した。これに対し西田氏は、「それでは困る。これは重大な問題だ」と、外相の姿勢を厳しく批判した。
さらに西田氏は、外務省に碑文の翻訳を求めた際、英語の原文は出されたが、日本語訳は「提出できない」と断られたことを明らかにした。「仕方ないので自分で訳した。そこには『大日本帝国軍は数えきれないほどの少女や女性を拉致し、性的奴隷に仕立て上げた』と書かれていた」と指摘。外務省も「そうした記述があることは確認している」と認めた。
「もっと強い抗議を」——外相の姿勢に不満も
西田議員は、岩屋外相の対応に対して、「証拠がないと政府は繰り返し述べているのに、こうした誤った内容が碑文として残されている。もっと強い姿勢で韓国に抗議すべきだ」と訴えた。
一方、岩屋外相は「今後もさまざまな関係者に日本の立場を説明し、適切な対応を求めていく」と繰り返すにとどまり、強い抗議や具体的措置には言及しなかった。
今後の課題は?
今回の委員会では、日本政府の歴史認識の伝え方や、海外での誤解にどう向き合うのかといった外交姿勢が問われた形だ。慰安婦問題をめぐっては、国際社会の中でも意見が分かれる複雑なテーマであり、政府には引き続き、事実に基づいた丁寧な説明と、冷静ながらも毅然とした対応が求められそうだ。