長野市長選に3人目 平本浩一氏が立候補表明 駅前再開発白紙撤回を主張

長野市長選に3人目の新顔立候補

任期満了に伴い10月に行われる長野市長選で、経営コンサルタント業の平本浩一氏（59）が無所属で立候補を表明した。現職の荻原健司氏（55）、市議の小泉一真氏（59）に続き、正式に立候補を明らかにしたのは3人目となる。

平本氏は広島県呉市出身。外資系証券会社や世界銀行に勤務した経歴を持ち、2022年に長野市へ移住。2024年の衆議院選挙では広島1区から立憲民主党公認で立候補し、当時の首相だった岸田文雄氏に敗れた。今回、市政の刷新を掲げて初の地方選に挑む形だ。

「駅前の再開発に公共性はない。市民負担ばかり増える」
「物価高が深刻なのに五輪施設改修に54億円とは理解できない」
「現職の実績もあるが、市民目線の優先順位を欠いている」
「外から来た人だからこそ、しがらみにとらわれず言えるのでは」
「税金の使い道を問い直す選挙になりそうだ」

争点は駅前再開発の是非

平本氏は記者会見で、長野駅前の再開発計画に強く反対する姿勢を鮮明にした。市が多額の公費を投じて進めようとしているタワーマンション建設に対し、「税金で民間事業を後押しする合理性はない」と述べ、白紙撤回を主張。市民の税負担を重くする事業であるとして、最大の争点に位置付けた。

一方で、現職の荻原氏は市政運営の継続を訴え、都市機能の強化を通じた地域発展を目指している。小泉氏は市議としての実績を掲げ、市民生活重視の姿勢を強調しており、三者三様の主張が交錯する構図となっている。

財政負担と市民生活の優先順位

平本氏はさらに、今年度予算に約54億円が計上されている五輪施設の大規模改修にも疑問を呈した。「物価高で市民生活が苦しい中、優先すべきは生活支援や地域経済対策だ」と語り、現市政の財政運営を厳しく批判した。

この発言は、市民生活をめぐる予算の使い道という視点から、市長選の新たな争点を浮き彫りにしている。公共事業と住民生活支援のバランスをどう取るかが、今後の選挙戦の焦点となる見通しだ。

長野市長選の構図と今後の展望

長野市長選は、現職と既存勢力の経験、そして新顔の挑戦がぶつかる三つ巴の戦いとなった。特に駅前再開発をめぐる是非は、市民の関心が高いテーマであり、候補者の政策が明確に対立している点が特徴的だ。

選挙戦は、都市開発か生活支援かという選択を迫る内容となり、市民にとって税金の使途を直に問う機会となる。新顔候補の登場によって、論戦は一層激しさを増すことが予想される。

長野市長選2025 三つ巴の戦いと駅前再開発論争

今回の市長選は、長野駅前再開発を中心に、財政の使い道や市民生活の優先順位が問われる選挙となる。新たに挑戦する平本氏が論点を鮮明にしたことで、現職と市議との間で繰り広げられる論戦は、市民の注目を大きく集めそうだ。