2026-02-24 コメント投稿する ▼
普天間返還を巡る「滑走路」の壁:玉城知事と米国防総省の認識のズレを読み解く
この基地を返還することは、沖縄県民にとって長年の悲願であり、日米両政府にとっても最優先の課題とされてきました。 日米両政府は、名護市辺野古に代替施設を建設することを条件に、普天間を返還することで合意していました。 そして、この「長い滑走路」の代わりとなる施設が確保されるまでは、普天間飛行場の返還を「留保」する、つまり返還しないという考えを示したのです。
普天間飛行場の返還を巡る長年の課題
沖縄県宜野湾市の中心部に位置する普天間飛行場は、住宅街や学校に隣接しており、騒音や事故のリスクが常に指摘されてきました。この基地を返還することは、沖縄県民にとって長年の悲願であり、日米両政府にとっても最優先の課題とされてきました。
日米両政府は、名護市辺野古に代替施設を建設することを条件に、普天間を返還することで合意していました。しかし、辺野古の新施設建設は、軟弱地盤の改良工事や環境保護、そして県民の強い反対運動により、当初の予定よりも大幅に遅れています。
米国防総省が示した「留保」という新たな火種
今回、事態を複雑にしているのは米国防総省の新たな姿勢です。米国側は、辺野古に建設される新施設には「長い滑走路」が整備されないという点を改めて指摘しました。
そして、この「長い滑走路」の代わりとなる施設が確保されるまでは、普天間飛行場の返還を「留保」する、つまり返還しないという考えを示したのです。これは、辺野古さえ完成すれば普天間が戻ってくると信じていた多くの人々にとって、衝撃的な内容でした。
玉城デニー知事が求める日米合意の再確認
この米国側の発言を受け、沖縄県の玉城デニー知事は2026年2月24日、強い懸念を表明しました。知事は県庁で記者団に対し、「もう一度日米間の合意項目を確認すべきだ」と述べ、日本政府に対して米国への働きかけを強く求めました。
小泉進次郎防衛相は「日米間の認識に齟齬(そご)はない」と説明していますが、米国側から「留保」という言葉が出てきた以上、知事が不信感を抱くのは当然と言えます。合意事項が本当に守られるのか、県民の不安は高まっています。
那覇空港の軍事利用を巡る対立の構図
この問題の焦点となっているのが、3000メートルの滑走路を持つ那覇空港の扱いです。日米が合意した普天間返還の条件には、緊急時に長い滑走路が必要になった場合に備え、民間施設の使用を改善することが含まれています。
しかし、玉城知事は「那覇空港は絶対に使わせない」と重ねて強調しています。民間の空港が軍事目的に利用されることは、県民の安全や経済活動に大きな影響を及ぼすからです。この「民間施設の使用」という項目の解釈を巡り、県と政府、そして米国の三者の間で激しい対立が続いています。
問われる日本政府の外交力と沖縄の未来
米国側がなぜこのタイミングで「長い滑走路」の必要性を強調し、返還の留保を示唆したのか、その真意はまだ完全には明らかになっていません。しかし、このままでは普天間の返還がさらに遠のき、基地の固定化が進む恐れがあります。
日本政府には、米国との認識のズレを徹底的に解消し、沖縄県民に対して誠実な説明を行う責任があります。単に「齟齬はない」と繰り返すだけではなく、具体的な解決策を示すことが求められています。沖縄の負担軽減という原点に立ち返った、粘り強い外交努力が今まさに必要とされています。