玉城デニー知事が示さなかった「職業差別」認識 沖縄エイサー祭り自衛隊参加中止要請の波紋

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玉城デニー知事が示さなかった「職業差別」認識 沖縄エイサー祭り自衛隊参加中止要請の波紋

自由民主党(自民党)の新垣淑豊県議は「自衛隊を参加させないように求める行為は憲法の平等原則、さらには沖縄県の『差別のない社会づくり条例』にも抵触する可能性がある」と指摘し、「これは職業差別と受け止められかねない」と強調した。

沖縄全島エイサーまつりと自衛隊参加をめぐる経緯


2025年9月、沖縄市で開催された「沖縄全島エイサーまつり」で、陸上自衛隊第15旅団のエイサー隊が初めて招待された。第70回という節目の年を記念し、実行委員会が正式に依頼したものである。しかし一部の政治家や団体、いわゆる「オール沖縄」勢力からは「県民感情にそぐわない」との声があがり、参加中止を求める要請が行われた。実行委員会はその要請を受け入れず、自衛隊の出演は9月12日の初日、予定通り実施された。

この問題は県議会でも取り上げられた。自由民主党(自民党)の新垣淑豊県議は「自衛隊を参加させないように求める行為は憲法の平等原則、さらには沖縄県の『差別のない社会づくり条例』にも抵触する可能性がある」と指摘し、「これは職業差別と受け止められかねない」と強調した。さらに「自衛隊は沖縄の人々の命や財産を守るために活動している」と発言し、要請を行った側の姿勢に疑問を投げかけた。

玉城デニー知事の答弁と歴史的背景


これに対し、玉城デニー知事は9月18日の県議会代表質問で「県民にさまざまな意見があることを踏まえ、主催者が判断したもの」と述べ、要請そのものを「職業差別」と認識する姿勢は示さなかった。知事はさらに、沖縄戦の記憶や戦後の基地問題を背景に「復帰後、自衛隊に対しても厳しい見方があった」と説明した。一方で「自衛隊は防衛任務だけでなく、急患搬送など県民生活を支える面でも献身的に貢献している。近年は肯定的な意見が増えている」とも述べ、変化を認めつつも明確な見解は避けた。

沖縄では米軍基地の存在を巡る長年の軋轢が続いてきた。自衛隊は米軍と同一視されがちな時期もあったが、災害派遣や救急搬送など地域に密着した活動が認知されるにつれ評価が高まりつつある。ただし、知事は政治的中立を装うように言及を抑制し、賛否が分かれるテーマで一方に寄ることを避けた印象だ。

条例と憲法の観点からの論点


自民党議員が指摘した「差別のない社会づくり条例」は、職業や社会的身分を理由とする差別を禁じている。自衛隊員は憲法の下で定められた公務員であり、特定の職業として不当に排除されれば条例違反の可能性がある。新垣氏の主張はこの点に立脚している。憲法14条が掲げる「すべて国民は法の下に平等」という原則とも関連し、参加拒否要請はその理念と矛盾するのではないかという論点だ。

一方、要請を行った団体は「県民感情」を根拠に挙げた。沖縄戦やその後の基地負担の記憶から、軍事色を帯びる組織に祭りの場を与えることに抵抗感を示す人々は確かに存在する。ただ、それが公的な差別に当たるかどうかは慎重な議論が必要とされる。職業を理由とした排除なのか、それとも文化的背景を重視した判断なのか、線引きは難しい。

県民の声と広がる議論


この問題は地元だけでなく全国的な関心を集めた。SNSではさまざまな意見が飛び交い、賛否が鮮明になった。

「自衛隊を排除するのは差別そのものだと思う」
「沖縄戦の歴史を忘れてはいけない。だからこそ自衛隊の参加には慎重であるべき」
「祭りは地域の文化の場。軍事色を持ち込む必要はない」
「災害時に助けてくれるのは誰か。自衛隊の活動をもっと評価すべき」
「知事は立場をはっきりさせるべきだ。あいまいな答弁は責任放棄だ」

議論は真っ二つに割れている。肯定派は「災害や医療支援を担う自衛隊の活動を祭りで紹介することは地域にプラス」と主張する。否定派は「戦争の記憶が強い沖縄に軍事組織が文化行事に出るのは不適切」と訴える。どちらの意見にも一理あり、解決は容易ではない。

今後の課題と政治的影響


玉城知事の「職業差別ではない」との態度は、オール沖縄勢力との距離を保ちつつ、自民党や政府との正面衝突を避ける政治的バランスの表れと見る向きもある。ただ、このあいまいさが県民の間で不信を招く可能性も否定できない。

一方で、自民党側はこの問題を「人権」と「平等」の観点から強く訴えており、今後の地方政治や国政選挙にも影響しうる。自衛隊の存在をどう社会に位置づけるかは、沖縄だけでなく日本全体に共通する課題である。特に防衛力強化が進むなかで、自衛隊に対する社会的理解を深める取り組みは欠かせない。

さらに、条例の適用を巡って司法判断に持ち込まれる可能性も残る。万一、排除要請が差別に当たると判断されれば、自治体や主催団体の姿勢も大きく問われるだろう。逆に、文化的・歴史的背景を重視する裁量が認められれば、祭りの自主性が優先されることになる。

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2025-09-20 09:23:47(くじら)

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