2025-10-27 コメント投稿する ▼
積丹町議・海田一時氏「やめさせてやる」発言問題で猟友会出動拒否、住民の安全が揺らぐ
出動を拒否された猟友会側は、住民の安全確保に不可欠な駆除体制を停止し、地域の秩序にも重大な影を落としています。 人口が少ない積丹町では、地元猟友会がクマなど有害鳥獣の駆除を担う重要な役割を果たしていますが、今回の出動拒否状態によって“駆除できない”“地域の安全網が崩壊寸前”という事態に陥っているのです。
地方議会副議長の発言が“命がけの駆除”を遮断―北海道・積丹町
海田 一時町議(副議長)が地元の猟友会に対し、クマ駆除作業時に「やめさせてやる」との発言をしたとされるトラブルが、人口約2千人の小さな町で全国ネットに報じられています。
出動を拒否された猟友会側は、住民の安全確保に不可欠な駆除体制を停止し、地域の秩序にも重大な影を落としています。報道によると、トラブルの発端は2025年9月27日、積丹町内で体重284kgクラスのヒグマが出没した現場で、駆除対応にあたった猟友会メンバーが「離れてください」と町議に注意を促したところ、海田氏が激怒し「やめさせてやる」と発言。翌日、猟友会は町に対して出動拒否を通告しました。
一方、海田町議は取材に対し、発言を否定して「一町議がそんな力を持っている訳がない」と釈明しています。
このような発言と対応が、地方自治の現場における“昭和的権力感”と“命を担う地域ボランティア”のズレを象徴しており、住民・ネット上ともに強い批判を呼んでいます。
被害と制度の断絶が浮き彫りに
このトラブルは、単なる口論にとどまらず、住民の安全と自治体の運営に直接影響を及ぼしています。人口が少ない積丹町では、地元猟友会がクマなど有害鳥獣の駆除を担う重要な役割を果たしていますが、今回の出動拒否状態によって“駆除できない”“地域の安全網が崩壊寸前”という事態に陥っているのです。実際、1カ月以上も駆除体制が停止しているという報道もあり、町民は「実際に出たら出動してもらいたい。心配です」と声をあげています。
また、猟友会側からの反発は、言葉だけの問題ではありません。駆除活動は年齢的・体力的にも限界があり、銃弾価格の高騰や無報酬的な活動条件が背景にあるとされています。こうした状況でこそ、議員・行政側の敬意ある対応が問われる状況ですが、その受け止められ方は「命を懸ける人材に対し敬意を欠いた発言」という厳しいものです。
“ネット炎上”がもたらす自治意識の転換の可能性
今回の事件が全国に晒され、ネット上で「何様のつもりだ」「町民の安全より議員のプライドか」といった批判が広まっていることは、地域政治に一石を投じる可能性があります。SNS上では次のような声も確認されます:
「近所の議員がハンターにそんなこと言えるの?命懸けでやってるのに…」
「出動拒否って地域の安全を放棄してるのと同じじゃないか」
「田舎だからって舐められてる気がする」
「議員が敬意持てないなら代えなきゃダメだ」
「無報酬の人達に恫喝とか信じられん」
こうした反応が示すのは、過去の「昭和・大昭和」的な地域政治の慣習が、令和という時代の住民意識に合致しなくなってきているということです。議員・町政・地域団体の関係性が、ネットで全国に見られ晒されるということ自体が、変化を促す契機になり得ると私は考えます。
とはいえ、炎上自体が解決ではありません。真の転換は、議員が責任を認め、謝罪・対応し、制度や慣行を刷新することにあります。
選挙という“駆除”手段の可能性と現実
住民側が次回選挙で海田町議を「駆除」する―つまり落選させる―ことで決着をつけることは現実的でしょうか。可能性は十分あります。
地方議員に対する信頼が揺らぎ、住民の投票行動が変わるなら、これ自体が地域政治の刷新を意味するでしょう。
しかし、私見では、以下の点が重要です。
第一に、選挙で判断されるのは発言そのものだけではなく、次の任期にどう地域安全・駆除体制・住民説明会等の信頼回復を行うかです。
第二に、議会・町長・行政がこのトラブルを放置せず、町民の安全を確保するという姿勢を明示しているかどうかです。選挙は最終手段ではありますが、それまでの“対応プロセス”が問われています。
もし町議自身が発言を否定し続け、謝罪もせず、制度面の改革にも応じないなら、次回選挙での候補者支持の見直しは必至だと私は思います。
人口2千人に満たない町でも、議員の発言一つが“出動拒否”“地域の安全網崩壊”という深刻な結果を招くという事実は、地方自治の脆さを突きつけています。海田一時氏の発言疑義とその後の対応の曖昧さは、議員が地域の安全・ボランティアに対して抱く責任感と信頼の問題を露呈しています。ネット炎上で晒された今回の事件は、地方議員の意識を“令和”に変える圧力になりうるものです。ただし、真の「変化」となるには、住民を守る体制・制度・説明責任が整備されることが不可欠です。次回選挙で町議の“駆除”が行われるかどうかは、町民がこの機会を逃さず、現実にどう判断するかにかかっています。