「ヨコハマ、アゲイン。」斉藤直明氏が市長選出馬　市民目線で経済再生へ挑戦

「ヨコハマ、アゲイン。」斉藤直明氏が横浜市長選に出馬表明　市民目線の経済再生を訴え

新たな挑戦者は“地元出身の元会社員”

7月1日、任期満了に伴う横浜市長選（7月20日告示、8月3日投開票）において、元自動車メーカー勤務の斉藤直明氏（60）が無所属で立候補を表明した。これで出馬表明者は計6人目となり、選挙戦はさらに混戦模様となってきた。

斉藤氏は会見で、「『ヨコハマ、アゲイン。』を合言葉に、かつての横浜の輝きを取り戻す」と宣言。観光振興や港湾機能の強化を軸とした経済再生を中心に据え、市民の生活向上と都市機能の再構築に向けた取り組みを掲げた。

同氏は横浜市出身で、三浦高等学校（現・三浦学苑高）を卒業。自動車メーカーで長年勤務し、昨年定年を迎えた。現在は横浜市中区の社会福祉協議会理事、学校運営協議会委員として地域活動に精力的に取り組んでおり、「企業人としての視点と、市民としての感覚を兼ね備えた候補」として異色の存在感を放っている。

観光税と民生委員制度の再設計を訴え

斉藤氏の政策の柱の一つが「観光税の導入」だ。市外からの観光客に一定の課税を行うことで、税収を確保し、市民の税負担を軽減するという構想だ。「市民が住みよいまちを守るために、外から来る人たちにも少し協力してもらうという発想。都市として当然の選択」と語る。

また、少子高齢化の進行に伴い、福祉分野の重要性が増す中、民生委員の待遇改善にも言及。「地域の最前線で支える方々が、経済的にも精神的にも疲弊しては支援にならない」とし、報酬体系の見直しや研修制度の強化、若年層や社会人の兼業参入の推進を掲げる。

さらに、横浜マラソンを活用した「スポーツツーリズムの拡充」も政策の一つとして打ち出した。コース改善、参加者層の拡大、海外招致の強化などを通じて、「横浜ブランドの再構築と経済活性化の好循環を目指す」と強調する。

6人目の挑戦者、混戦の横浜市長選

すでに横浜市長選への立候補を表明しているのは以下の5人。いずれも無所属だが、それぞれに異なるバックグラウンドと支持層を持つ。

* 小山正武氏（76）：野菜卸売会社の会長
* 高橋徳美氏（56）：横浜市議
* 田中康夫氏（69）：元長野県知事・作家
* 福山敦士氏（36）：IT関連会社社長
* 山中竹春氏（52）：現職市長、再選を目指す

ここに斉藤氏が加わることで、60代以上の候補が3人、50代・30代の候補も揃う構成となった。経済、教育、福祉、都市開発、それぞれのテーマに異なる角度から挑む候補者たちの戦いは、市民にとって政策本位の選択を迫る構図となってきた。

「地元民が立ち上がる」共感と期待

斉藤氏の出馬には、SNS上でも「市民視点」を評価する声が相次いでいる。長年の企業勤めを経て、地域活動に関わってきた経歴が、多くの有権者の感情に響いているようだ。

「ベテランサラリーマンの感覚って今の市政に必要だと思う」
「港と観光を活かして横浜を再生させたいって気持ちが伝わる」
「観光税で市民の負担減らすって、かなり現実的な政策だよね」
「地元生まれで地元に戻ってきて働いてる人にこそやってほしい」
「福祉と経済のバランス取れる人材が市長になるべき」

とはいえ、無所属新人の立場では、組織力や知名度で不利な面も否めない。今後はどれだけ市民との接点を増やし、支持を可視化できるかが鍵となるだろう。

市民のための「もう一度ヨコハマへ」

「ヨコハマ、アゲイン。」――斉藤氏が掲げたこのキャッチフレーズは、過去の栄光を懐かしむのではなく、再び前に進む都市像を表すものだ。「経済も、暮らしも、もう一度上向かせたい。そのためには変わらなければならない」と語る。

経済の自立性を高め、行政サービスを維持・拡充するには、新しい発想と地に足のついた政策が必要だ。斉藤氏のような“企業人からの転身型”が市政をどう変えるのか。市民はその実行力と、街を思う誠実さを見極める局面にある。